〝食べられるために〟生まれてきた不死身の少女と人食い死狼が出会う感動のラブストーリー
荻原トリン
第一部 Lost In Your Light
―序― 餌の鎖
第0話 死狼餌
人間は〝
「自分が何のために生まれてきたか知ってる?」
まだ七歳だったときカイサはそう聞かれた。
小首をかしげたカイサにそいつは言った。自分達は〝餌〟と呼ばれていて食べられるために育てられていると。
なぜと聞く。そいつは〝
―――声がする。沢山の人の視線が突き刺さる。
「あいつ餌だ」
「可哀想に」
「彼女の人生はただ死狼に食べられることだ」
「何のために生まれてきた?」
「いや、ただの十五歳の少女じゃない」
「私達の身代わりね。仕方ないわ」
「餌なのに見た目が悪くない。もったいない」
「違う人生を夢見たりするのだろうか」
『私は何のために生まれてきた?』
―――もう、嫌だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます