壮絶な過去を持ち、人間らしい心を殺し、死狼の餌として生きる少女、カイサ。
「何のために生きるのかなんて知らない。それでも人並みな人生を歩みたかった」
――過酷な背景に裏付けられた台詞の一つ一つが胸を打ちます。
一方、半世紀も牢獄に囚われながら生き延びている死狼、不死。
「俺は生きなくてはならない」
――朽ちかけてもなおトキという女性を想い続ける不死の誠実さ、強さが報われることを願わずにはいられません。
そして、そんなカイサと不死の出会いから様々に物語が展開されていきます。
気づけば読者の私も、カイサたちと共に希望を探して物語を追っていました。
文庫化されたらぜひ紙媒体で読みたくなるストーリーの重厚さです!