やがてひとつのみちになる

見てきたような、大正浪漫物語。
細かな言葉選びが『モダン』的で、とても目新しいです。

お嬢様の瑠璃子さん。
所作の美しさだったり、言葉の隅々まで育ちのよさが滲みますが、慎ましやかなだけではない。
勝ち気で気の強い一面もあって、そこがまた魅力的。

婚約者となった、学者先生の渉さんとも、一難去ってまた一難。
二人はどうやって、難を乗り越えていくのだろう。
最後まで目が離せない、渉さんと瑠璃子嬢の初々しい物語。

貧乏人の学者と資産家のお嬢様による身分違いの恋……大正時代の背景も相まってとても素敵です。
何より文章が綺麗！　純文学のような文章によって織り成される二人の恋模様に魅了されることは間違いありません。
二人の行く末はどうなっていくのでしょうか……とても気になります！

不器用な2人の初めての恋。一生懸命、隣にいようと奮闘する姿がいじらしくて、可愛らしくて。いつまでも見ていたいと思ってしまいました！

2人がどう幸せになってゆくのか、楽しみにしています！

大正の作品と聞いて読みにくい印象だったのですが、
読み始めてからスラスラと入ってきて表現の仕方などが好きです。

相手を大切に考えているからこそ、でる言葉や行動がぎゅっと詰まっており、愛おしくなるような作品でした！

純文学テイストな語り口で紡がれる、優しく暖かなラブストーリーです。

WEB小説のレベルは超越している気がしてなりません。
時代背景の考証。
登場人物の心情豊かな表現。
濃密ながら舌触りの柔らかな情景描写。

どこを取っても非の打ち所のない純愛小説でした。

おすすめです！

大正という時代背景をきくと、言葉遣いやテーマ材の関係で読みづらいと印象をどうしても抱きがちですが、かなり読みやすく、ユニークです。
おすすめの大正ロマン作品です

序盤のノスタルジーな雰囲気の中と、純粋な二人のウブな恋愛模様が特に好きでした♪
中盤以降流れが一気に変わり、それはそれでまた展開が気になるところです！
切実にハッピーエンドになってほしい…

この作品に流れる空気はお見合いから始まって、結婚に至るまでどこかのほほんとして、修羅場というものが見受けられない。
結婚には昼ドラにありがちな修羅場が一つは付き物だと思っていたから、この点には思わずふいを突かれてしまった。
私の父も母と結婚するとき、貴賎結婚だったせいか母方の祖父母からかなり非難されたという……。そのせいか、結婚に対するイメージは私の中では悪いイメージがあるのだ。
そんなステレオタイプな結婚を壊してくれたこの作品。これから二人にはどんな困難が待ち受けていようとも、きっと幸せを築き上げてくれるはずだ。
そう思ってならなかった。