第9.5話 ★★★エロ勉強会★★★
普段は鍵がかかって人が入ることも無い廃校舎。
そこはハルトにとっては授業中にサボる憩いの場所だった。
ほとんど自分の部屋のように使用していたその部屋には、ハルトの私物が山ほどあった。
そして、そこにあるのはセンフィにとって宝の山だった。
「ふぁ、ふぁ~……なにこれ……すごい……えっちだよぉ!」
自慰用のエロ本。エロDVD。パッケージや表紙は全て人間の女の裸ではあるが、実用性という意味で種族は関係なかった。
「ここ、これ、ぱぱ、パンツだけじゃなくて、お、お尻丸出し……うわ、こっちの女の子、あ、一番見えちゃダメなところが丸見え……あっ、でもこの部分は黒塗り? それに蜃気楼みたいに不鮮明……あっ、こっちは男の子の裸! ふぁぁ……でも、こっちも股間が変に……男の子のココって皆こうなってるの?」
「それはモザイクって言うんだよ。それは人間界のニホン産のブツなんだが、面倒なことにニホンの法律ではその箇所は修正するんだってよ」
「え? そ、そうなの!? じゃ、じゃあ……女の子のココがどうなってるかは私にも分かるけど……男の子のは見れないんだね……うわっ!? でも、こっちはすごい組技だよ、どーなってるの!」
天然の明るくぽわぽわした、ちょっと世間知らずなお姫様。それがセンフィに対して抱いていたハルトの印象だった。
しかし、今は違う。
まさか、エロアイテムにここまで目を輝かせて前のめりになるとは思わなかった。
「おめーさ~、女子の間でとかそういうの見ないのか?」
ハルトがそう問うと、センフィは顔を上げて苦笑した。
「う、うん。女の子たちとは小説とかお芝居の話とか、政治とかの話ばかりで……皆むしろ、私とこういう会話するの避けてるというか……」
「まっ、姫様相手にはそーだろうけどよ……」
「うん。それに私の教育係の人とか私にはまだこういうの早いって……だから、私は保健体育以外ではこういうの分からなくて……」
「それでエロに興味津々なお姫様ができたと……つーか、それならあのパンツは自分で買ったのか?」
「う、ううん……コッソリ自分で作ったの……なな、内緒だからね! お、おっぱい一回だからね! 内緒の約束はちゃんと守ってよね!」
「はいよ。んじゃ、早速……ブレザー脱いで、シャツのボタン外してブラ取って」
これはあくまで情報交換と交換条件の下での約束事。
センフィがそう必死に念押しし、ハルトも頷いて立ち上がる。
そしてセンフィも恥ずかしそうにしながら身構えようとしたとき、ハッとした。
「へ……? シャツ脱いで……ブラ……え? ちょっ?!」
「あん?」
「ままま、まさか、おっ、おっぱい一回触るって、は、裸で触るの!?」
「はぁ? 当り前だろうが。服の上から触って何が楽しいんだよ」
「い、いやいやいやいや、それは絶対ダメだから! なんで、エッチ本とエッチでーぶいでーで、私は裸になっておっぱい!? 私は一応姫だよ?」
「はぁ? いつも校舎で肩書は気にすんなって言ってんのはお前だろうが」
「でで、でもぉ!」
好奇心で普段手にして見ることのできないエログッズのために、胸を服の上から一回だけ揉ませるだけなら……とセンフィは考えていた。
だが、ハルトの条件は生乳だった。
しかし、いくら欲しいもののためとはいえそこまでは流石にできないと、センフィが拒否しようとしたら、ハルトは「ならば」と……
「じゃあ……このモザイクかかってる男のモノがどういう形になってるのか……俺のを見せてやるってことならどうだ?」
「え……? え、えええ! れ、レオンくんの……?」
「おお。言っておくが、ここにある本もDVDも全てモザイクがかかってる。だから、お前が本物を見ることが出来るのは、これを逃したら好きな男が出来た時か、戦争で捕まって凌辱されるときぐらいだ」
「ッ!?」
「まっ、興味ねーならいいけどな……」
「う、うぅ……」
本とDVDだけでは知ることのできない、更なるブツを差し出した。
そして、これがセンフィには効果絶大だった。
「別にヤらせろってわけじゃねー。キスさせろってわけじゃねえ。ただ裸になって俺に触らせるだけだ。今日を逃したらもうチャンスねーかもしれねえぞ?」
「そ、そうかもだけどぉ……」
センフィにとっての絶対防衛ライン。それは二つあった。
それは、いつか好きな人のために捧げたい、ファーストキスと純潔である。
しかし、胸だけならばセーフと言えなくもない。
何よりも普段箱入りで、しかも付き合いのある友ともこういう会話や情報交換をまったくしないので、ハルトの言う通りこれで最初で最後のチャンスかもしれないということが、センフィを惑わせた。
「ほら、揉んで吸って舐めるだけだからよ」
「うぅ……って、増えてる! 触るだけじゃないの!?」
「いや、なんか高貴な身であるお前の恥じらい見て巨乳を想像したらそれぐらいやりたくなった……」
「う~ッ!?」
もう、センフィは何がどうなっているか分からないほど頭が混乱してしまっていた。
ハルトはほとんどふざけているのだが、知識のないセンフィには何が正しくて何がダメなのかが分からない。
ただ、探求心を抑えきれず……
「す、好きにしていいの……お……おっぱい……だけだよぉ?」
陥落したセンフィは、ついに制服のブレザーを脱ぎ、シャツのボタンをはずし、その下から薄いグリーンの可愛らしいフリルの付いたブラジャーを露出する。
ブラでは隠し切れない丸みを帯びて、見ただけで弾力を感じさせる豊満な胸に、ハルトは余計にそそられた。
「かっかっか、まさにメロンだな」
「うぅ、言わないでよぉ」
「誉め言葉だよ。ほら、ブラも」
「う、うん」
だが、ハルトが望むのはそのブラの下にあるもの。一頻り目に焼き付けて満足したハルトは、センフィをせっつく。
緊張でセンフィは指が震えながらも、何とか背中に回し……
「れ、レオンくん……目が怖いよぉ……」
「わり。じ、実は、俺も強がってるけどこういうの初めてでよ……」
「え!? そ、そうだったの? だって、レオンくん……色んな女の子と……シてるって噂が……エロ大魔王、エロ番長って噂だったし……」
「あ、ああ、そう思われてよ、お前以外の女は俺を恐れて近づくことなくて……だから、本当は経験に乏しくて、本当はどうすればいいか分からなくて……」
「そ、そうだったんだ……」
嘘である。
ハルトは既に経験豊富で同じ学校内でも同級生、先輩後輩学校外問わずに色々な女と経験あった。
そして、その経験則から導き出したのは、センフィのような普段お節介な女は、母性本能をくすぐるのが一番だという戦略だった。
案の定、センフィはハルトの態度を見て、徐々に口元が緩んだ……
「そうだったんだ……レオン君、強がりさんだったんだね」
「うっ……」
「ふふふ、そっかそっか……」
こうして急に初めて同士という親近感と共に、目の前の強がっていた男の情けない姿のギャップにセンフィは心を許してしまい……
「じゃあ、一緒にお勉強しようよ。ね?」
「オウダ……」
「約束守ってくれるんなら、私のおっぱい好きにしていいよ? ちょっと痛くされても逃げないから」
そう言って、両手を広げ、魔族でありながら天使のような微笑みを見せるセンフィに……
「ありがとな……オウダ……」
ハルトも爽やかにハニカミを見せ、そして心の中では悪魔のように笑った。
そして……一線を越えない……などということができるはずもなかった。
――あとがき――
これがギリギリです。これ以上の展開はノクタorアルファポリスで確認お願いします。
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