<<衛生用品とか>> ②生理用品等
これは恥も外聞もなく、いつも使っているブランドのナプキンを主人に買ってきてもらった。とにかく服やベッドを汚すのが怖かった。
いつでもすぐ使えるように鉄格子の間や、監視用の小窓にもナプキンを詰め込んだら、私の部屋の中が廊下から見ずらくなった。今思うと看護師さんに叱られてもしょうがなかったのだが、結局注意はされなかった。
後に「タンポンは差し入れて貰えるんだろうか」と患者女子2,3人でちょっと話し合ったことがあるが、「ダメだよねぇ」という結論になった。
病院の売店に売っていればセーフなのだろうが。ていうかタンポンで死ぬ方法とかあるんだろうか。
ついでながら、綿棒の持ち込みが結構ハードルが高いのであった。
私は試験退院したとき、自宅から50本ほどの綿棒を持ってきた。1本ずつセロファンでパックされた衛生的なものである。
しかし、それが余計悪かったらしく、私は士長さんクラスの偉い看護師さん(私は勝手に伊東四朗と呼んでいた)からお小言を食らうハメに。
伊東四朗の横では、若い男性看護師さんが何か一生懸命手を動かしていた。やがて、彼は笑顔で綿棒入れを私に差し出した。
「じゅりさん、綿棒これで大丈夫だから使っていいよ」
私はハッとした。私の綿棒からセロファンが1本1本丁寧に剥がされているではないか。
正直、その場では嬉しいというより呆れたのだが、じわじわと来るものがあった。私はこの綿棒の箱をできるだけつぶさないようにしまっておいて、退院時にも持って帰った。
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