概要
戦国から桃山の世にかけて活躍した「キリシタン陰陽師」の一代記!
第一部:戦国大名大内義隆の支配する「西の都」山口に住む、朝廷陰陽師の落とし子である宇治丸少年(のちの賀茂在昌)。共に育てられた少女・広とともに伴天連来航を目の当たりにして興味を惹かれるも、時あたかも山口の乱に巻き込まれ、伴天連の助けによって命からがら難を逃れる。二人は父・勘解由小路在富の跡を嗣ぐために京の都へ上り、やがて結婚する。
第二部:長じて立派な「キリシタン陰陽師」となった賀茂在昌は、西洋天文学を学ぶため豊後へ出奔、多くを学び帰洛し、安土桃山の世で活躍する。九州に残り修道士となった長男メルショル、陰陽師を嗣いだ次男在信など、数奇な運命を辿る在昌一家。しかし、時代の波に翻弄され、キリシタン禁制とともに歴史の舞台から消えてゆく…。
安土桃山時代に実在した(と考えられる)、「キリシタン陰
第二部:長じて立派な「キリシタン陰陽師」となった賀茂在昌は、西洋天文学を学ぶため豊後へ出奔、多くを学び帰洛し、安土桃山の世で活躍する。九州に残り修道士となった長男メルショル、陰陽師を嗣いだ次男在信など、数奇な運命を辿る在昌一家。しかし、時代の波に翻弄され、キリシタン禁制とともに歴史の舞台から消えてゆく…。
安土桃山時代に実在した(と考えられる)、「キリシタン陰
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!歴史と物語の中で、揺れる。
主人公はキリシタンでありながら、陰陽師である。陰陽師と聞くと、式神とか呪術とか、そういったものを思い浮かべる方も多いはず。しかし、陰陽師の歴史を見てみると、暦とか天文学の方が主分野である。よって、この作品にはそのようなファンタジックな陰陽師ではなく、より歴史を重視した陰陽師が描かれている。さて、何故陰陽師がキリシタンなのか? という疑問も上記から分かるだろう。暦も天文学も、西洋の解釈の方が正しかったからだ。
主人公が生きた時代は、まさに西洋を受け入れる一方で、西洋の宗教が弾圧された時代だったのだ。そんな間を生きた主人公と、その妻、そして子供たち。
この作品は、物語の文と歴史の文が交互に…続きを読む