第34話 不変

「まあ、買ってくれるならなんでもいいけどね……」

 そう言って、駄菓子屋の店主は語ってくれた。

 

     ✻


 この店は、近くの小学校の通学路にあるんだよ。だから、学校終わりの子供が寄ってくれるんだ。

 もう十数年続けてるけど、来る子供ってのは大体決まってるもんでね。いつも同じような面子で、同じ駄菓子を買っていくんだ。

 

     ✻


「はあ、それがどうしたんです?」

 私がそう返すと、店主は困り顔で呟いた。


「十数年間ずっとだよ? なのにまだ、子供の姿をしてるって……」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る