第13話 エレベーター

 とあるビルに訪れたときの話。


 ビル内のエレベーターに近付くと、すでに待っている男性がおり、上へのボタンが押されていた。

 後ろにつきカゴが降りてくるのを待つ。

 降りてくると先に男性が、次に自分がエレベーターに乗った。扉に向き直し、五階のボタンを押す段階で違和感を感じた。


 この男性はどの階へ行くつもりなのだろうか。


 自分が押すまで、どの階のボタンも明かりが灯っていなかったのだ。

 不思議に思いつつ、ボタンを押した。

 自分の目的の階につくと、その男性も一緒にエレベーターを降りた。


 あの男性が、何故自分の降りようとしている階を知っていたのか。未だに検討がつかない。

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