第15話 かさ

 私がまだ小学生の頃の話。


 学校からの帰り道、雨が上がった通学路を一人で歩いていた。

 その時私が持っていた傘は、傘の部分が骨に六等分されているもので、一ピースだけ透明になっていた。

 体の前で傘をくるくると回し、水滴を飛ばしつつフラフラと前へ歩いていく。

 くるくると回す傘の間にふと、人影が映った。

「あっ」

 ぶつかると思い傘をどけると、目の前には誰も歩行者がいなかった。あの人影は、確かにこちらに向かってきていたはずなのに。


 皆さんも、このタイプの傘を持っていませんでしたか? もし使ったことがあるなら、貴方も見たことがあるかもしれませんね。

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