第3話 クソゲープレイヤークソゲーに降臨する
この世の中にはクソゲーというのが存在する。そう、被害者はこの「ときめき!マインガール」だけではないのだ。
1996年ぐらいに発売された『ウルトラオリンピック!INアトランタ!』となんだこの『!』は?な作品であるが、まさかのオリンピックイヤーに販売されず1年ズレて発売したゲームがあるのだ。
そしてこのゲームはスポーツゲームよろしく、大きなコントローラー型のマットの上でAボタンとBボタンを交互に連打する…等の操作になる。ゲームセンターにあるダンスゲームの筐体みたいなコントローラーと言えばわかりやすいだろうか。
ちなみにこのゲームはクソゲーである。それは難易度にある。
デバックに高○名人でもいたのだろうか、なんというか鬼畜連打ゲームなのだ。自分の国を選び、各競技で競う。身体能力に長けているアフリカ系を選ぶとクリアは容易だ。だが…
真エンディングを見るためには日本で総メダル獲得数1位を取らなければいけない。
スタッフに愛国者でもいたのだろうか?変な話名人でも難しい。100M走に勝つためには、1秒間に16連打を「ボタンを交互に」打ち込む必要があるのだ。なんというか無理ゲーである。
ちなみにこれは「専用コントローラー」での難易度だ。設定を通常のコントローラーにするとどれだけの連打が必要になるのかはわからない。
だが、ゲージ貯め系の他の競技では勝てない(ビタ押しでも日本記録すら出ないのバグじゃないの?)ので、必然的に連打の上限が無い100M、200M、200M障害等の連打種目で勝って「プレイヤーが操作できない他の種目で勝ってくれる事を祈る」というクソゲーをやらなければならないのだ。
こんなの無理だ!!という中、クリアーするのがクソゲープレイヤーの人達なのだ。自分はギャルゲー専門なので精神が耐えれればなんとでもなるのだが、こちらはクリアーした人がいる。
4人用マルチタップでプレイし、強い国を他の3人にプレイしてもらって蹴り落としつつ、日本操作時に他のプレイヤーがボタンを押しまくることで(応援システムというのがあり、歓声が鳴ったり、鳴り物の音が響く。オリンピックってそういうの禁止じゃなかったか?)処理落ちさせるのだ。100M走がなんと30秒以上かかる世界に変化し、その間連打したプレイヤーの操作する日本の選手は100M7秒台という夢の記録が出る。
さて、なんでこんな別ゲーの話をしたかというと、この運動会パートはこのウルトラオリンピックチームが絡んでいるのだ。
そう、ステータス不問(レベル関係なし)での連打ゲーという謎仕様である。
しかーし、今の俺は藤島健であり、ちゃんとAGIも上がっている。そんな俺が全力で走れば絶対に勝てる…ハズなのだ。
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「ああああああああああああああああああああああああああああああふざけるなぁぁぁああああああああああ」
さて、今の俺のレベルは70前後であり、普通に考えれば一般の人の3倍くらいの強さを誇っている。
AGIも2倍ぐらいの数字で、100Mは10秒台で走れるぐらいだし、得意の砲丸投げは世界1位を余裕で超えているのだ。
だが…前述のオリンピックであったような「プレイヤーが操作できない他の種目に参加する必要がある」のだ。
「フル…マラソン…の後に…トライ…アスロン…で…次の…競技は…」
「えーと…クライミング…だって…」
凜子がスポーツドリンクを渡してくれる。いやー生き返るわぁ・・・
「一応…プレイヤーが操作する種目…だな…」
「棄権しても総合一位確定なんじゃ…?」
「この…運動会…全部1位取らないと…才子…戻ってこない…」
ちくしょう!まだ息が整わない…!
「(そんなに才子ちゃんの事…)そう…なんだ…がんばって!」
「おうっ!」
「藤島さーん!次の競技ですよー!」
何故だ!なぜスタミナの項目が無いんだ!いや、一晩中腰を振り続けるぐらいはできるとは思うけども!辛さの質違い過ぎない?
どうしてこうなっあと後悔しながら俺は指のひっかかりだけを信じて壁を上り続けていた…。
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