第3話 弟と言ったな?

弟ルートはトゥルーエンディングとグッドエンディングが人によって異なる。


トゥルーエンディングだとお兄ちゃんと一緒という形になり平和に終わる。

グッドエンディングだとお兄ちゃんと添い遂げる為に性転換してしまうのだ。


逆やろという人もいるが俺にとってトゥルーエンディングは兄弟そのままでいる事だ。


ちなみにベッドでやることをやると魔神が融合を果たして世界が滅ぶ。


シナリオ班は何してるの?


トゥルーエンディングへは好感度120以下。

グッドエンディングは121以上であるのだが…ゲームでは優先度がある。


みさきは優先度が最低に設定されているのだ。


瑠璃の好感度80以上あれば他のどのヒロインが高くても瑠璃ルートに行く。

瑠璃は優先度最強だからな。


全ヒロインの好感度を下げなければみさきルートに行く事ができない…



だが、瑠璃は下げ過ぎもヤバイ。

瑠璃の好感度が0以下になると毎日の朝に包丁襲撃イベントが発生して死ぬ。

確率は好感度0で1%、マイナス99で100%発生する。


マインガールの名は伊達じゃないのだ。


………



放課後になった。

初日は瑠璃以外の会話は発生しない。


こっそり主人公の特技である魔神召喚を試す。まだ腕だけだが、浮かせたり殴ったり出来るようだ。大きさもある程度自在で、どこかの天使狩りおばさんみたいな感じで使い勝手が良く出せるみたい。


………


さて、フラグ管理が全然わからない…隣のモブちゃんと会話するだけで好感度変動があると怖くて何もできないわけで…


ちなみに瑠璃が悪評を撒き散らしてるので話しかけてくる人はいないのだ。



悲しい。



さて…一人の帰り道。ここで賭けに出ることにする。


本来なら1周目では出現しないキャラがいる。そいつと会えるか実験だ。


「いるんだろ?出てこいよ!!」


叫んだ。


…………


実はこれ3回目である。

日常パートは一枚絵しか表示されていない。


2周目になると選択肢が追加されるのだ。

でも帰り道のどこなのかわからない。


なのでそれっぽい所で毎回叫んだ。

周りから見たら痛い奴である。


「よく気づきましたね…死んでください」


このセリフの後に首にカバンを当ててガードする。

ゲームだと10秒以内の時限選択だ。


首を守るか心臓を守るかだが、首が正解。


斬撃をカバンで防いだあとに


魔神の腕を召喚して襲撃者の首を締める


「なっなんで…ぐっ…」


忍者だ。目の前には忍者がいる。

霧隠才子。このゲームの隠しヒロインである。


ちなみに生身の腕を選択すると切り落とされて死ぬよ?


「こそこそと…何で、はこっちの台詞じゃないのか?」


死なないよな?大丈夫だよな?と思いつつ、首を締める力を増やす。


「お前のような三下に殺せると?」


「ぐあっ……」


さすがに可哀想だと思うが、甘さを見せるとヤバイ事になるからな…


この才子だが、全ヒロイン中唯一、特定ルートに入らなくても仲間にできるキャラである。


その為にはM覚醒をさせなければならない。

主人公はS選択肢をし続ける必要がある。

M覚醒させると才子ルートには入れなくなる代わりに色々な特典がつく。

まず、仲間になる。攻撃力の上昇、素早さの超上昇。

射撃技の後にステップ移動ができるようになり、使い勝手が増すのだ。


ちなみに才子ルートに入ったらS覚醒をさせるのがオススメだ。射撃技でえらい威力になるからなアレ…


そしてみさきのトゥルーエンディングに行く為には絶対に必要な要素がある。


こいつはルートに入らずにエッチができる唯一のヒロインなのだ。


主従調教をすれば夜の世話をさせることが出来る。これを利用するのだ。


先程の好感度の話に戻るが


みさきの初期好感度は200である。

次が重要なのだが、


みさきの好感度を下げる選択肢や行動は一切存在しない。うなぎ登りだ。


だがゲームシステムに「おとなりせっくす」というわけのわからないシステムがある。


これだが、隣の部屋にキャラがいる状態でエッチをするとそのキャラの好感度を0にできるのだ。例外は瑠璃であり、瑠璃を隣に配置するといきなりラスボスである。

RTAでよくやる技だな。


そろそろ才子が息をしてない状態になったので人工呼吸をしてやる。ファーストキスだ…とか考えてたりもしたが必死でした。

ちなみにここまでやらないと反撃で死にます。シナリオ班?


「がはっ…くっ…何が…」


「おはよう」


才子は自分が返り討ちにあい、蘇生までされた事に気付いたようだ。


「私がこんな…」

とか言いながら変な薬を飲もうとする。


自害しようとする才子を魔神召喚で止める。

ちなみに時限選択で間違えたり、5秒経つとゲームオーバーだ。実はもう通報されていて警察に捕まる。


「殺すには惜しい、俺の下に来い」

たしかこんなセリフだったはず…


「私は強くならねばなりません…貴方の下でならなれますか?」


「確実にな」

それだけは断言できる。レベル上がるしな。


「霧隠才子、貴方に仕えます。」


「藤島健だ。霧隠才子、全力で俺に尽くせ」






そして全力で逃げ出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る