第9話 テンションが落ち着いてからが一番きつい

恒例となりつつある隣の隣町の喫茶店に来た。


今回の参加者は5人だ。


俺、凛子、才子、黒凛子そして知奈ちゃん。


「………才子……お前は……なんて言った?」


「瑠璃殿と交戦した蓮殿を抑え、助けました。」


「あー…うん、叔母さんと瑠璃が普通に殴り合ってたのね。」


瑠璃はもう悪魔だからなー、知奈ちゃんの淫魔モードになるのも納得だ。


「旦那様あーん」


黒凛子が口にケーキを入れようとしてくる。

触手で。


「あーん…むぐむぐ…」

「コーヒーですよーふーふーしてあげますね」



「で、これはなんなの?」


不機嫌オーラ全開の凛子さんもいる


「マスター、会話するのは初めてですね。私は謎のメイド凛子シャドウオルタナティブです。お好きなようにお呼びください」


「なんで…なんでウチの顔をしたメイドが藤島くんのお世話をしてるのよ!」


「昨日から金縛りが解けなくて…身体が動かないのだ。」


「………エクスキュア(全状態異常解除)」


「治った。コーヒーを吸飲みに移し替えるな、やめて」


「拙者が説明します。この凛子シャドウオルタナティブは拾ったのですよ。あのダンジョンで」


「拾った?」


「ええ、街を散策してたら拾いました。主殿と凛子殿の世話役にちょうどいいと思いまして、私が色々と教えました」


「「名前ェ!!」」

ハモった。


「いやはや…凛子殿はスタイル良くて和服があまり似合わなかったのでメイド服にしましたよ、ハハハ」


「「問題違う!」」


「あのー…私なんでここにいるのでしょう…」

知奈ちゃんが恐る恐る発言する。


顔が真っ赤になってる、まあ昨日は酷かったですしねー


「まあなんだ。もうぶっちゃけちゃった方がいい気がしてなー…」


断じてこれはどうでも良くなったとかではない。本性がアレならきちんと話した方が上手く行く可能性が高いからだ。


……………


「なるほど…事情はわかりました。だから私物を持って来いということだったのですね?」


「ああ…そうして貰えると助かる、凛子」


「ここで開けなきゃいけませんか?」


「開けなくても大丈夫よ、未来視!」


そうして凛子が発言して




凛子の顔が真っ赤になって、鼻血を出して倒れた。



多分これギャグパートだよな?あれ?


「知奈ちゃん…何を持ってきた?」


「私の…宝物です…」


顔真っ赤になってる知奈ちゃん。


「旦那様、スキャンの結果99.9%の確率でピンクロ…」「いうな」


「だ、大丈夫ですぞ知奈殿、破瓜さえ気を付けれ」「TPO!!」


気まずい空気が流れる。

ってか凛子にエロ耐性無さすぎでは?


てかこの3人が異常なんだよな。こんなキャラだっけ?


「と、とりあえず結論を言うわ…」

凛子が復活した。


「知奈ちゃんが持ってきた私物には運命の鍵は無いわ」


俺が凛子にお願いした作戦はこうだ。


凛子に少し先の未来を見てもらう。その未来で錬成を行い、運命の鍵が発生するのか確認するのだ。

少しだけ未来が見える凛子の設定を活かしたセーブ&ロードの繰り返しをしたのだ。


「でも…見つけた」

「マジか?」


「藤島くんの…メガネよ…」



なんでメガネ?

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