第11話 伏線をゴールテープにしてぶった切って終わらないで
「え~と凜子さん?どうしたんですかね?」
「…ほっといて…」
どうやら、俺の作戦の邪魔をしたのが恥ずかしい…のかな?
「いや、まぁとりあえず作戦は成功したし…」
「…ほっといてよ…」
うーむ…重症っぽい。
俺ってもしかして…
「俺モテモテ?」
のみかけのペットボトルが飛んできた。そういや投擲スキルあったな凜子さん。
本当に何でもできる…うん。
クリティカル判定とダメージ過多による気絶判定入りましたねこれ。
もしかしたら俺の回避判定でファンブルでも出したかな?
目の前が真っ暗になった。
「ちょっと!?え?ごめんなさい!そんなに強く投げたつもりは…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
僕は毎日が充実していた。
アホみたいなブラック企業を辞めて、辞めたときに裁判を起こしてかなりの額をしぼりとった。
さらに宝くじなんて当ててしまってもう働く必要なんてないのだ。
…だからこんなアホみたいに引きこもってゲームをしている。
都内でもそれなりの場所だったりするぐらい駅は近い。
結構マンションでも高い場所に住んでいるので虫も出ない。
「よしよし、これで鳩ルートクリアだな。しかしまーた主人公死んだな…」
おっと電話だ…なんだ?表示されているのは比嘉埼 美咲
幼馴染ではあるのだが…恋人とかそういうのではない。
くせっ毛を気にはしているが、普通の美人という類ではある。
「●●…」
「どうした?美咲」
「ごめん…今日…泊めて…」
「いや…家に帰れよ、都内だろ?」
…ん?時計を見ると深夜の1時を過ぎていた。さすがにもう電車は無い
「…今どこだ?」
「あんたの家の前…」
「入ってこい」
ドアホンからマンション入り口の鍵を開ける。ヤツは部屋の番号は知っているので問題は無い。
・・・
「ミネラルウォーターとスポーツドリンク」
「…水で」
「あいよ」
入ってきた美咲に水を渡す。ヴォル○ックは買い置きしているのだ。
「…なんでこんなに飲んだんだ?」
「…仕事…辞めてきた」
「は?」
「………ごめんトイレ」
「水持って行け」
女子がしてはいけない嗚咽が聞こえる…。
まぁこのマンションには使ってない部屋があって、そこにベッドがある。
いつもそこで寝てるし、わざわざ布団も洗濯しているし。何も問題ないだろう。
僕は普通にPCの前に戻り、ゲームに戻った。
「まぁ話したい事があれば明日話すだろ…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「藤島君!」「健様!」「先輩!」
…目を開けるとそこには美女が3人居た。
夢を見ていた気がする。だが、それは何なのか忘れてしまった。
「…いろいろごめんね…」
「いや、いいんだ。…なぁ誰かここに入って何時間経ったかわかる人いる?」
ここは夕焼けで止まってるダンジョンだから時間間隔わからないんだよね。
「9時間ぐらい経っていると思うのですわ」
「あー…まぁ概ね問題ないね。むしろ助かったかもしれない」
「??どういうことですの??」
「みんな、ご飯食べたりいろいろ準備してくれ!1時間後に攻略を開始するぞ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「先輩…何かあるの?」
「10時間…あれ?」
凜子は何か予感がしたのかもしれないけど、それは嫌な物ではないはずだ。
だから違和感だけ感じたのだろう。
そう…10時間コントローラーもマウスも動かさずにいると出現するモノだ。
しかもそれは今誰かの装飾品になっている。
そのモノが出現するならば、それの誰かも一緒だろう。
現れるのはこのダンジョンにおいての希望。
俺のPTの最強キャラクターだ。
「いるんだろ?出てこいよ!」
「よく気づきましたね、流石です主殿」
霧隠才子がPTに加わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます