第6話 エロゲの本質はバッドエンド


オッスオラ藤島健!なんか気づいたら即死選択肢ばっかりの世界「ときめき!マインガール!」というゲームの中にいたんだ。

オラもやっぱり死にたくないから…一生懸命死なないようにこの世界を生きているんだ。

最初のヒロインである三國知奈ちゃんを攻略したので、次は後輩キャラの小此木鳩攻略だね。

といってもそのキャラのエンディングに行けば俺は死んでしまうので心のダンジョンを攻略しつつ恋仲にならない…という微妙なラインを攻めなければいけないんだけどね!

 


小此木鳩の攻略を開始する。


基本的に…


「右足!」

「胸!」

「右後方から腰!」


「ぎゃっ」

「ぐぺっ」

「うそっぶっ!」


飛びついてくる後輩を叩いていれば好感度が上がる。


ちなみにこの間の選択肢はミスればアウトだ。難易度鬼畜過ぎる。


エレンはいるのだが、エレンを使うのはまだ先だ。



もちろん、俺はブレてない。誰も殺さない。俺も死なない。


今回の攻略は隠しヒロインその3であるエレンも同時に攻略するのだ。

エレンディアルートでの攻略は後輩ちゃんルートで発生するBADエンドを発生させるのが楽なのだ。



保険は入れるが今回行くのは「それは脆く悲しい恋人END」である。


さてさて、このゲームは最近流行っているルート攻略形式ではなく、あくまでも好感度分岐である。


鳩後輩は殴れば好感度が+50になる。

あと2,3発殴ればこのバッドエンドの発生条件は満たす。


そして心のダンジョンはルートに入るか入らないかは関係ない。

いけるはずだ。


だが、このルートにはとある条件をクリアする必要がある。


そして、それのクリアには…



「お前が頼りだ。期待しているぞ才子」

「せ…拙者?」




そして3日後…俺は条件を満たした。


「せ…先輩…愛がいたたたたたたたたた♡…ガクっ」


ここでハートが出れば条件を満たしたことになる。

ぶっちゃけテキストで表示はされてないのでわからないが、なんか声がエロくなったから入ってるだろう。

入ってるよね?これ見てる人確認してくれない?


「アイアンクローで気絶させてるってひどい絵だな…」


「…本当にそうね…」


学校の廊下で右腕一本で持ち上げて鳩を気絶させてると凜子がひょこっと現れた。

今では凜子はしっかりとクラスメイトだ。


「あれ…本当にやるの?」

「やるよ」


やりたいかやりたくないかで言ったらやりたくないのだが、ここからはそういったことも言ってられない。

今から入るバッドエンドは非常に簡単だ。


好感度が一定以上の鳩から「壊されれば」いい。

だから凜子は心配しているのだ。


このエンドは…というよりバッドエンドのほとんどは藤島健の死亡で終わるのだから。



「…生き返るってわかってても…あんなに死にたくないって思っている人が死ぬのは…」


「そうだね。俺は死にたくない。でもあの時思ったんだ」


凜子が死ぬ瞬間。凜子が死んだ時。僕は自分の傲慢さを知った。

死にたくないを言い訳にしてただの高校生の女の子を殺した。


「俺のせいで誰かが死ぬ方が辛い。自分で死ぬよりも辛い」

「あの暗くて冷たい思いを。動かなくなって動けなくなって何もできないもどかしさも」


「俺はもう誰にもさせない。」




「だから…まかせとけ」


俺はそう言って凜子の頭を撫でた。


「…そういうかっこいい事は右手の女の子を下してからやってね。」



そういや俺、後輩の頭わしづかみにしたままですわ。

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