第1話 アドリブでルート変更したら報いを受ける
完璧だった。完璧なはずだった。
兔狩り、それにより経験値不足を解消。さらにさらに静寂の竪琴を入手し、この世界の半分のボスを確実に倒せる算段もついた。
そして見落とした。それは…
『一緒にごはんを食べると好感度が上がるシステム』
このゲームは古き良き時代のギャルゲでおなじみの好感度システムを採用している。
材料がふんだんにあるせいで、ウサギ鍋を5回やった結果…。
とあるキャラの好感度を上げ過ぎたのだ。
そして俺の部屋に1つの手紙が置いていた。
「一度、故郷へ帰り報告をして来ます。用が済み次第すぐに戻ります。霧隠才子。」
「あああああああああああああああ!!やっちまったぁああああああ!!!」
好感度調整の事を頭から放り出してた!!!
これは所謂PT離脱イベントである。しかもこれ…ほっとくと最終決戦直前まで戻らないやつ!!
「おおおおおおおおちつ、おちおちおちつけ…」
ただ必ず先制で動けて、2回行動できて最強のアタッカーを失っただけだ。
いやきっつい。きつすぎる。
別のゲームに例えると、連続攻撃補正MAXになってても敵の攻撃が0%になって、
武装がENと実弾がバランス良く装備されてて射程も火力もあるニュータイプを失ったぐらいのきつさだ。
こ…これは…やらなければならない…
PT即戻しイベントを!
みさきもだが、凜子にも伝えておかないとな…
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「ということで、俺は忍者村に行くことにした。」
「…へ?はぁ?」
「居なくなって気づいたんだ。俺は才子がいないと(戦力的に)生きていけないということに!」
「えええっ!」
「正直、才子(のスキル)に頼りすぎているというのは自覚している」
「う…うん…」
「だけど、俺は(死ぬから)あいつに傍にいてほしいんだ!」
「…………」
「ということで才子を取戻しに行ってくる!あとは任せた!」
バス停へ向かって進もうとした所、肩を掴まれた。
「…ウチも行く。」
「??一緒には(イベントの都合で強制一人だから)行けないよ?」
「…ウチも行くの!!!」
「いででででででででで」
思いっきり肩を掴まれた!握力ハンパねー!いでぇええええ!
ということで2人で忍者村へ行くことになりました。
あーあ…
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