3章 霧隠 才子

章始めのやつ


 心を殺してここまで生きていました。


心を殺して殺して殺して殺して。でも何かある度に心は生まれる。


甘いものを食べたとき、辛いものだってしょっぱいものだって心は必ず生まれる。


波のように、


その波を殺す。動くものを殺す。全て殺す。



こんなにも殺すのが多いのに、五感を殺すことは許されない。


この身体が無くなってしまえば、失ってしまえば、もう心は生まれないのに。



殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して

殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して




そうやって生きていたのに。


生きてた。殺すことが生きる事だった。


それなのに。



生まれた心を持って行った人がいた。


生まれて生まれて生まれる度にすべてを抱えて喜んでくれる人がいた。


生まれた心は花のようで。


生まれて生まれて生まれて生まれて生まれて生まれて生まれて生まれて

生まれて生まれて生まれて生まれて生まれて生まれて生まれて生まれて

生まれて生まれて生まれて生まれて生まれて生まれて生まれて生まれて


世界は花で埋め尽くされた。



花を刈り取り続けた刃はこの花を護るために使おう。




なんてこの世界は素晴らしいんだ!


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