第1話 作戦会議

三國知奈


このヒロインは従姉妹であり、美少女ゲームにおける妹枠である。


全ヒロイン中最強のバスト98を誇り、どこを触ってもプニプニという擬音が鳴る。


バトルにおいては最強の防御力を誇るタンクタイプであり、特殊アビリティ「影薄」により敵のターゲットにならない。


正直言ってバトルでは使えない


彼女のルートは、コンプレックスの塊である彼女から、信頼を得て、甘々になるこのゲームではあり得ないぐらい普通のストーリーである。


ただそこから、飛行機テロによる母親である蓮叔母さんの死。

ここから立ち直る事ができず、選ぶのは主人公との堕落。そこを瑠璃につけ込まれ、現れる心のダンジョン。

心のダンジョンをクリア、瑠璃との対決。


勝利するも瑠璃が決死の道連れ作戦。

知奈が精神崩壊。CS版ではここから、何者かに誘拐されて主人公がそれを探しに行って終了。

18禁版では、精神崩壊からの爛れた生活。

そこから主人公の逸物では満足できなくなり、最後はなんかNTRされて終わる。


「というわけだ」


二人とも唖然としてるな。無理もない。


本編共通ルートが終わり、明日から知奈ルートが始まるという事で、凛子の便利魔法であるテレポーテーションを使い隣の隣の隣である街の喫茶店で作戦会議をしている。


「主殿は…主殿は乳房が大きい方が好きなのですか?」


ずっこけた。


「いきなり何を言ってるんだ?」

「いや、バスト98とは拙者の倍ぐらいありそうで…」


お前は78だから流石に倍はないだろ


「ウチのサイズも把握してるのよね…」


そうですね、84の凛子さん。


「真面目に話そうぜ?今日はみちる遅いから俺が食事当番なんだよ…」


ちなみにこのゲームで最強もとい最胸は蓮叔母さんである。

バスト104という…夢の3桁だ。

クリア特典のIFストーリーでは親子丼も楽しめるぞ!


「飛行機テロは止めれないの?」

「それは止めれる」


このゲームのキャラは特殊な能力を持ってる人が多い。叔母さんもその一人だ。


「方法は2つ、1つはテロ組織をぶっ潰す」

「そして、もう一つは2週目以降に抱きしめられる」


「抱きしめ?」


「そう、叔母さんに抱きしめられる事が条件なんだ」


「なんでそれで回避できるの?」


「叔母さんには能力があってな…サイコメトリーという技が使える」


「モノに触れば、モノの記憶を得て、人に触れれば人の記憶を探れる」

「ウチと同じ状況になるのね…」


叔母さんはその記憶を元にテロ組織をぶっ潰してなんとかなっちゃったりするのだ。


叔母さんの職業は捜査官だったりする。


人妻巨乳捜査官ってなんなんだろう?



さて、ここで問題がある。

運命の鍵を手に入れるためにはルートに入る必要があり、入るためには蓮叔母さんには死んでもらわないといけない。


「どーすんだよこれ…」


「うーん…知奈ちゃんが叔母さんが死んだって思えばいいんだよね?だったら叔母さんには生きてもらって、ウチが知奈ちゃんを洗脳して死んだことにしようか?」


「電話かかって来たらアウトっぽいけど…」


「ごり押しですな…」


さらっと洗脳とかいう単語が出ましたが、凛子さん有能過ぎじゃない?


「もう、叔母さんも洗脳するかー」


「叔母さんは危険だと思うの…モノの記憶まで追えるなら洗脳に気づかれる可能性があると思う」


「よし、スマホをぶっ壊そう」


「過激だが、それしかなさそうですな…」



という事で、作戦は決まった。


知奈ちゃんの好感度を上げつつ洗脳

叔母さんとの連絡手段のスマホをぶっ壊しておいて、ルートに入り、運命の鍵を回収。


よし、完璧だ。明日を迎えるだけだぜ!

美少女ゲームでやる作戦じゃねえな…




…………


そして現在。


テレパシーを飛ばす。


『リンコキコエルカ、サクセンヘンコウダ』

『何があったの!?』



俺は今、蓮叔母さんに抱きしめられていた。



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