概要
あの日の君との約束を、心だけが憶えてる
悠伽(はるか)が姿を消してから、残された「俺たち」の時間は止まってしまった。あの日あの事件を境に、「俺たち」は音楽をやめ、いっしょにいることさえやめてしまった。
それから「俺たち」――奈津(なつ)、璃生(あきお)、芙雪(ふゆき)と俺・刻都(ときと)の四人は、それぞれ別の道を歩んでいた。
そんななか、あのとき彼女と交わした約束を、俺はどうしても思い出せないでいる。
たしかにあったはずの「俺たち」の日々は、交わしたはずの彼女との約束は、もう俺の手には戻らない……そう思っていた。
あれから六年が経ったころ、ネットに上がっていた一本の動画。
そこで垣間見た彼女の面影が、ふたたび「俺たち」を繋ぎ合わせる。
そして、彼女の行方の手掛かりを追う「俺たち」が出逢ったのは、六年前のあの日に深く関わる、そして
それから「俺たち」――奈津(なつ)、璃生(あきお)、芙雪(ふゆき)と俺・刻都(ときと)の四人は、それぞれ別の道を歩んでいた。
そんななか、あのとき彼女と交わした約束を、俺はどうしても思い出せないでいる。
たしかにあったはずの「俺たち」の日々は、交わしたはずの彼女との約束は、もう俺の手には戻らない……そう思っていた。
あれから六年が経ったころ、ネットに上がっていた一本の動画。
そこで垣間見た彼女の面影が、ふたたび「俺たち」を繋ぎ合わせる。
そして、彼女の行方の手掛かりを追う「俺たち」が出逢ったのは、六年前のあの日に深く関わる、そして
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!癒えぬ痛みさえいとしい青春のなかで
だれにだって、幻のような記憶があるのでしょう。懐かしさに心がふるえたり、思い返すたびに胸が締めつけられるような記憶が。
ふるいにかけられながら、すこしずつ手のひらから零れてゆく記憶。いつしか靄がかってしまった思い出。それらが風化していくのは仕方のないことなのかもしれません。
ですが、胸の奥ふかくで化石となってしまう記憶があるのなら、蕾がほころぶようなものだってきっとあります。
この物語の主人公である刻都--彼にも、思い出せないけれどたいせつな記憶がありました。悠伽という少女。六年前の事件。そのとき、彼女がほんとうに伝えたかったこと。
この物語を読み終わってしばらくのあいだ、雨の降る…続きを読む - ★★ Very Good!!どうしても、忘れられないことがある。
『過去』というのは不思議なものです。
ずっと昔に過ぎ去ったことのはずなのにいつまでも覚えていることがあるかと思えば、少し前のことなのにすっかり忘れてしまったことがあったり。
誰かを傷つけた、という記憶がずっと消えてくれなかったり、あるいは誰かに傷つけられた、という記憶がずっと残っていたり。
大切に思っていた相手のことを、時間が経って「いい思い出」と振り返ることができるようなことがあるかと思えば、時間が経ったからこそ余計に、その人が大事に思えてしまう、ということがあったり。
いずれにしても変わらないのは、その『過去』がいくつも積み重なった先に、『現在』があるということ。そしてそれは、い…続きを読む