行く末は空もひとつの〜関西人のアメリカ暮らし〜

由海(ゆうみ)

関西人、バージニアに上陸する

青天のヘキレキ

「は? バージニア州?」

 それってどこよ?


 アメリカの地図を頭に浮かべても、その州がどこに位置するのか全く検討がつかなかった。


 突然、相方が異動の辞令を受け取ったのが、その年の2月。異動の予定は4ヶ月後の6月中旬。

 相変わらず人の都合を全く考えない職場だ、と呆れながらも「退職願い、私もそろそろ書かんといかんやん。海外に行く前の準備と手続き、ややこしそうやわあ」などと、ぼんやりと考えを巡らしていた。


 ……って、4ヶ月後? 

 うそやん、ちょっと待って!

「そんな短期間で、ビザ申請、間に合うわけないやん!」


 相方はアメリカ国籍。私は日本国籍。

 私がアメリカで暮らすためには「移民ビザ」が必要となる。国際結婚しているという事実が、この時初めて現実味を帯びた。



 かくして、あまりにも仕事が遅くてテキトーなアメリカ移民局を相手に、何度もブチ切れながら、ようやく発給されたビザを手にアメリカに移住したのは、相方が日本を発ってから1年と6ヶ月後のこと。

 生まれ故郷の大阪を離れ、向かうはバージニア州。抜けるような青空の下、緑濃い森林に覆われた大地と美しい海岸線を擁する、自然豊かな土地なのだとか。


 ……で、それってどこよ?


(2017年12月23日 公開)

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