概要
魔の気配がするわ!
うちのクラスには勇者がいる。授業中にいきなりおもちゃの聖剣を掲げて「魔の気配がするわ! 皆伏せて!」とか叫ぶのはいつものことで次第にクラスメイトの反応も薄くなり、遂には先生までもが呆れて何も言わなくなってしまった。そんな奇行の数々に彼女に近付く者はほとんどいないし、できれば僕も関わりたくはない。
「あなたから魔の気配がするわ! さては魔族ね!」
「な、何のことか分からないけど、とりあえず聖剣をこっちに向けないで!?」
しかしどうやら彼女の中で僕は魔族らしく、事あるごとに絡んでくる。おかげで最近では僕まで変人扱いされるようになってしまった。それにしても人のことを魔族呼ばわりなんて失礼な勇者だ。これでも僕は魔王だというのに。
「あなたから魔の気配がするわ! さては魔族ね!」
「な、何のことか分からないけど、とりあえず聖剣をこっちに向けないで!?」
しかしどうやら彼女の中で僕は魔族らしく、事あるごとに絡んでくる。おかげで最近では僕まで変人扱いされるようになってしまった。それにしても人のことを魔族呼ばわりなんて失礼な勇者だ。これでも僕は魔王だというのに。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!最近、クラスの女の子から『この魔族め!』って聖剣を向けられてるんだよね
近代日本においてラブコメというジャンルを形成する上で大きな役割を果たしたのは『うる星やつら』だが、これに従って考え直してみると、ラブコメとはラブが成就するまでの過程をコメディによって耐えるジャンルだと言える。
そう考えると、主人公とヒロインの間に対立があって、その二者の関係性を埋め、いつしか恋愛として成就させる物語としての喜劇性が、高ければ高いほどラブコメは上質化すると想定できる。
果たして本作の場合、舞台は現代日本の高校であるが、なぜか主人公の朝野は魔王で、ヒロインの三奈野は勇者であるという。
勇者と魔王といえばくっつくものだという間違った常識がまかり通っている昨今だが、普通はくっつか…続きを読む