第18話 コラボ3「笠地蔵×白雪姫」

※このシリーズの各話とは別物です

※笠地蔵世界メインです



 とある雪の日、町に笠の行商に行った帰り道、お爺さんは雪を被って震える7人の小人を見つけました。


「おやおや可哀想に。気休めにしかならないが、これを。売れ残りで悪いがね」


 そう優しく笑んでお爺さんは見上げてくる小人たちに丁寧に笠を被せてやります。


「おおしもうた、足りない」


 だったら、とお爺さんは自分の笠と、それでも一つ足りず自分の手ぬぐいをあげてその場を後に……しません。


「よければうちに来ないかのう?」

「「「「「「「え!?」」」」」」」

「狭い家だが外にいるより寒さは凌げる。せめて雪が止むまではと思ってのう」


 小人たちはお爺さんを見上げ感動します。

 そうしてお世話になった小人たち。

 小人なので思ったより場所を取らず、手狭感は大してありませんでした。


「いつまでだっていていいんだよ」


 お爺さんの言葉にお婆さんも同意します。

 二人だけでも食べるのに困る生活にもかかわらず、小人たちにも平等に、いえむしろ自分たちよりも多くよそってくれました。


 そんな老夫婦の温かさに触れ、小人たちは奮起します。

 実はどこぞの世界から今流行りの異世界転移してきて、右も左もわからず途方に暮れていた小人たちだったのです。

 ドワーフとしての誇りと気力を失くしかけていた7人は、お爺さんからどうにか鶴嘴つるはし、なければくわやトンカチを工面してもらいます。


「「「「「「「ちょっと出掛けて来ます」」」」」」」


 そうして数カ月後、


「「「「「「「ただいま帰りましたー!」」」」」」」


 その元気な声に、帰って来ないと実は心配していたお爺さんとお婆さんは嬉し顔で玄関を振り返ります。


「「おかえ…」」



「「「「「「「金鉱掘り当てましたーッ!」」」」」」」



 キラキラした表情とその手の鉱物にびっくりするお爺さんとお婆さん。


「「「「「「「お二人にもう苦労はさせません!!」」」」」」」


 小人たちは二人に最高の恩返しができたと大喜びです。


「無事に帰って来てくれたのが何よりの恩返しだよ」

「お爺さんの言う通りですよ」

「「「「「「「……」」」」」」」


 小人たちを大事に大事に抱きしめる二人に、小人たちは自分たちの思い上がりに気付いて少し恥ずかしくなったと言います。

 お金で買えないものがある。


「折角だがね、そのお金は自分たちのために使いなさい」

「お爺さんの言う通りですよ。皆のその気持ちだけで十分有難いわ」

「「「「「「「お爺さんお婆さん……」」」」」」」


 豪華な暮らしを望まず、最低限の質素な暮らしを望んだ老夫婦。

 小人たちは二人と過ごす時間を何よりも大切にしました。


 お爺さんとお婆さんと小人たちは、誰よりも……とは言いません。

 けれど誰が見ても微笑んでしまうような幸せと共に暮らしましたとさ。

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