第15話 サイズ合いませんけど?
召喚というか…再生の準備を終えて、
「遅いがな~、
「いいことってなによ?」
「決まっとるやろ!! 美味しいモノ食べてんねん!! ホテイさんビール飲んで、山菜とか、ブランド牛とか、しゃぶしゃぶしとるんや!!」
「アンタ…牛も食べるの?」
「猫は本来、肉食や!! パンダかて肉食うやろが!! ワシ一歩間違うたら虎やねんぞ」
「アンタ パンダも知ってるのね」
「あの人気者パンダを知らん猫はおらん!!」
「いや…動物園付近に住んでなければパンダは知らんでしょ…普通」
「パンダはええねん!! いこか!!」
「騒がしいですね、イプシロン(仮)」
「ん、あっ、
「えっ?しゃぶっ…て…なんです…」
女将の顔が赤くなる。
「あっ! やっぱりや~
ボグッ!!
「いいかげんにしろ!! バカ猫」
「まぁ…気にしないでください、
「終わってまーす」
「じゃあ始めますか」
「ワシも牛食べたい~」
「あっ、女将さんも、
「はい」
「アンタはん、ほんまに、しゃぶしゃぶしてへんの?ちょっと口の周り見せてみ」
ボグッ!!
「アンタ、もっかいやったら、コレよ、コレ」
「嫌やん…冗談やん…しませんよ…ほんと」
「静かにしてるのよ」
「ええ子にしとるで…」
ピシッ…と小さな雷が宙を走る。
宙に翼の生えた豹が現れた。
「我が名はシトリー…汝、意中の女性を呼び出してやろう…」
「シトリー様 この女性をここに呼び寄せて欲しいのですが…」
「よかろう…」
シトリーは真っ赤な目玉をギョロッと動かし、床を前足で軽く引っ掻いた。
床がパカッと裂け、隙間にシトリーが前足を突っ込み、むんずっと掴んで、
「この者で間違いないか?」
「えぇ…間違いありません」
「うん…では…貢物を頂戴しようか…」
「なにが御所望でしょうかシトリー様」
シトリーは鼻をフンフン鳴らして、カップラーメンの空容器に口を突っ込む。
「ふん…コレがいい…コレは食べたことが無い」
「かしこまりました、女将…カップラーメンは、まだありますか?」
女将が、カップラーメンを2ダース箱で持ってきた。
シトリーは
「シトリー様~、お湯を入れて3分待つんですよ~」
「せやで、そのまま食べたらアカンねんでー」
「うむ…委細承知、さらば」
凛々しく消えて行ったが、背中のダンボールがひどくマヌケだった。
「なんで…裸やねん、人間の女は今、裸で寝よるんか?
「パンツは履いてるわよ…」
「仕方ないですよ…シトリーは色情の悪魔ですから、意中の女性を呼び寄せ、服を脱がす…そういう職能なんです」
「悪魔の能力って、限定的よね~、便利なようで…そうでもなさそうで…」
「適当に持ってきたDVDで、シトリーが一番、手っ取り早かったもので…それより、何か着せてあげましょうか
「えっ?服、着てしまうん?べつに着なくてもええんとちゃいますやろか?
ボグッ!!
「なんでやねん!! 素直な欲求やん、オマエや出来んことしたいやん」
「悪かったわね~谷間が作れなくて」
「せやで…高性能のブラジャー使っても出来んって…壊滅的や…グッ…ぞ…ングッ…」
「あの~、
「あっ!?ブラですか?寄せてあげるブラですか?サイズ合いませんけど?」
「派手なパンツ持ってきとったやんか、ソレでええんとちゃう…グッ…か…ングッ…?」
裸の女性をベッドに寝かせて、目覚める前に女将が浴衣を着せた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます