第23話 後悔ってさ~
「毎度ありがとうございました…またどうぞ~」
「恥かいたじゃないのよ!!」
「ワシのせいちゃうやん!! 大体、仕事中に入口にケツ向けて、踊っとるオマエが悪いんちゃうんかい!!」
「アンタがジャスチャーゲームなんて言わなければ、こうはならなかったのよ!!」
「オマエ…よう言うな~、とくに反対はせぇへんかったやろが!!」
「ヒマだったんだもん!! ホコリ取りのパタパタも飽きてたもん!! パッケージ見ても知らないのばっかだし…」
「誰も来ないしの~」
「そこよ!! 来るわけがないと油断したのよー」
「まぁえぇやん…済んだことや…野良犬に噛まれたと思うて…忘れるこっちゃ」
「アタシは忘れても、あの人は忘れないと思うわ…」
「ネットで拡散されないように祈るだけやで…今は…」
「えっ?撮られてたの?ねぇマジで…」
「いや…知らんけど…」
。―――。
「
「中華確定なのね…アタシどーしようかなー…麻婆麺にしようかな」
「オマエ…引っ張られるタイプやの~」
「いや…だって…急に言われても」
「そうやって、フワフワと流されて生きてきたんやね~」
「なによー!! お地蔵様に固定されてたからって、キチッと生きてたとは言わないでしょ!!」
「ワシは、常に置かれた状況を愉しんで生きてきたんや、後悔のひとつもないわボケ!! お昼1食かて真剣に、その瞬間食べたいものを即座にチョイスするんや」
「行き当たりばったりで生きてきたから、金盗んで全国飲み歩きなんてしちゃうのよバカ猫!!」
「言うたやろ、後悔はない」
「アンタ、そんな場当たりな性格だから、知らない間に妖怪化するのよ」
「後悔しとらんわ!! 妖怪最高!! お昼は麻婆豆腐と炒飯!!」
「増えたじゃない…」
「麻婆豆腐てオカズやんか…炭水化物メインやん食事って」
「うん、それは賛成ね…って、アンタ、昨日、焼肉に御飯頼んだら怒ってたじゃない」
「焼肉…ワシ…食べてないやん…ハムやったやん…ワシだけハムやったんや」
「ワシ、ハムうるさいのよ!! 後悔しまくりじゃない!! 出前頼むわよ」
。―――。
「オマエ…麻婆麺ちゃうやんか…どないしてん」
「電話で頼んでる途中にね~、気が変わったのよ」
「美味しいか?」
「ん、美味しいわよ、チャーシューメン」
「ひとくち頂戴」
「でた?ひとくち頂戴するタイプ」
「なんで?食べたいやん! ワシの麻婆豆腐食べてええから」
「なんか嫌なのよね…なんかね」
「えぇやんか!! 昨日からなんか、肉に対して、あくなき欲求が収まらへんのよ、なっ?」
「まぁいいわ…後、食べていいよ」
「ホンマ、なんや豪勢やん、炒飯にチャーシューメンに麻婆豆腐やて、ラーメン屋の満漢全席って気がするやないけ」
「アンタ…箸も使えるのね」
「当たり前や、ワシ、お箸の国の猫やで、レンゲより箸のほうが親しみあるっちゅうねん」
「いや…うん、猫だからさ…箸とか以前じゃない?」
「なに言うとんねや、変な女やの~」
「妖怪に変って言われたくないわよ!! 食べ終わったら、ちゃんと洗って外に置いといてよ」
「ハイハイ…ホンマ、片づけ下手やさかいの~、洗濯も3日に1回やし…パンツは毎日履き替えてるけど~、洗濯せんとな~、夏は酸っぱい臭いしそうやで…ブラは1週間くらい同じの付けるしな、コレはい言うとこ…言うとかなアカン」
「ブツブツうるさいわよ、早く食べて、掃除でもしなさいよ」
「
「なに?」
「パンツは毎日、洗うたほうがえぇと思うわ…このドンブリのようにな」
「何言ってんのアンタ…今後、セクハラには実力行使で行くわよ? キュッよ、キュッ!!」
「キュッ?ってなんやねん?」
キュッ!!
「ギャッ…グッ…」
イプシロン(仮)が苦しみだす。
「これがキュッよ…解った?身体で覚えなさい、アンタ、バカなんだから」
(恐ろしい女やで…酸素が…息が出けへん…)
「イプシロン(仮)、床掃除終わったら、窓ふいといてね」
「オマエなぁ~、どこの世界に窓ふきする猫がおんねん!! 情報拡散社会舐めんなよ!! オマエのケツふりダンスより、アクセス数稼いでまうわボケ!!」
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