第2話 初仕事
「やっぱり、下着は派手な方が喜ばれるのかしら…」
いつか必要だと思い立ってネットで買った『勝負下着』をマジマジと見つめて考える。
本日風俗デビューします。
人妻感があったほうがいいのかな~。
キャリアウーマン系で売っていこうかな?
貧乏は倫理を失わせていくものである。
自分のキャラ設定を考えるが楽しいと思えるようになってきた。
「これでいこう」
キャリアウーマン系で、まずは手応えを探って行こう。
「おはようございま~す」
「あぁ…
「はい…今日からよろしくお願いします」
「はい、こちらこそ…」
「で…さっそくなんですけど…名前なんですけど」
「はい?
「ちょっと…苗字はー」
「
「いや…本名はどうかと…」
「困ったな~名刺頼んじゃったしな~」
「えぇ~、本名でですか~」
「軽率でした」
「ホントですよ…身バレしたら、ちょっと困ります」
「ですよね~」
「まぁ…その辺は後で考えましょう…さっそく行きましょうか」
「えっ…もうですか…」
「えぇ…遅れると信用に関わりますから」
「そうですね…解りました」
「覚悟はいいですか、コレ持って」
オーナーは私に、大きなバックを手渡した。
(この中に、プレイに必要な道具が入ってるのね…一応、ネットで調べたけど…不安だな…上手に出来るかな…アタシ)
「この御宅ですか?」
「はい」
「じゃあ…行ってきます…逝かせてきます」
「いや…僕も行くんだけどね」
「オーナーも来るんですか?オプションですか?」
「なんの?」
「なんでしょうね…複数プレイ的な?」
「ちょっと解りませんけど、行きましょうか」
「勝手に入っちゃっていいんですか?」
「大丈夫です、今日は留守ですから」
「留守?なに?」
「バックから、DVDプレイヤー出してください」
「DVD?…撮影ですか!! 顔出しNGでお願いします」
「再生専用だから、撮影とかないです」
「あ~よかった…安心しました…」
「なにが?」
「動画撮影じゃなくて」
「はぁ…まぁいいですけど…TVにつないで~再生しちゃってください、コレでいいかな」
オーナーは、DVDを1枚ポイッと投げて、庭へ出て行った。
「再生始まりましたか?」
「はい…たぶん…映像出ませんけど…」
てっきりエッチなアレが再生されるとドキドキ…いや…いい意味でね…していたのだが。
画面はなんか…なんだろう…ボンヤリナニカが蠢いているような…。
「音量上げてもらえますか」
「は~い」
少しずつボリュームを上げていく…ブツブツブツ……なんか聴こえるような。
「そんなもんかな…あんまり広げられないし」
「あの~」
「あ~、ちなみに…何か観えます?聴こえます?」
「う~ん…白いモヤッとしたもんが動いてて…ブツブツ言っているような」
「うん…充分です」
「なにが?」
「さて…夜まで待ちますかね、お昼にしましょう」
「ん?プレイは?」
「本番は夜でしょ…やっぱ」
「あ~…そうか…ロケハンみたいなもんか…夜か…下着、取り換えた方がいいかな?」
「そうですね…初めてだとな~、う~ん、汚しちゃうか…そういう可能性もありますね…用意がいいな~
「初めてですよ、ホントに」
「御馳走様でした」
「いえいえ」
ラーメンは美味しかった…できれば匂いの付かないものが良かった。
「吉備さん…トイレ長いかったから、口に合わなかったのかと思っちゃいました」
「そんな、違いますよ…やっぱ歯を磨いておかないと…失礼かなって…」
「さて…行きますか、サクッと終わらせちゃいましょう」
「……はい…」
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