第43話 風呂場で飼うの?
「微妙や…ソースカツ丼…微妙や…」
「食べて食べれないものではないわね」
「もし、店でコレ出てきて、750円言われたら120%の自分が目覚めるで」
「そりゃ、アンタ、コレで商売する気はないわよ」
「当たりまえや!! ラーメン屋で袋ラーメン出すくらいの強メンタルと開き直りが必要や」
「いや…案外、ソッチの方が美味かったということもあるわよアタシ」
「1歩譲って、まかないでも、白い目で見られる覚悟がいるで」
「翌日からエプロンとか隠されそうね」
文句言いながら食べた2人。
プシュッと発泡酒を飲むイプシロン(仮)。
口の形状がアレなので、飲みにくいのだが、缶から飲むことに、こだわりがある。
そして零して怒られる。
「やっぱ…発泡酒は好きになれんのや…」
「アンタ3本飲んだら、1本分零してんじゃない?」
「拭いといてよ!!」
「あー、解っとるわ」
「アタシ、お風呂入るからね~」
「おう」
「ぎゃあー!!」
「なんや…どないしたんや?」
イプシロン(仮)がシャワールームへ走る。
発泡酒がひっくり返る。
「あー!! いやいや言うてる場合じゃない
「変なのがいるー!!」
「なんや?ゴキブリかてクワガタムシのハサミ取った姿やと思えば大丈夫や…で…」
イプシロン(仮)がガチャッとドアを開けると、裸の
「なにアレ?」
「アレ言われても…見てのとおりやで」
「見て解らないから聞いてるの!! ちっこい象みたいな…豚みたいな…パンダのような…」
「せや…アレはそのどれでもない」
「だから何のよ!!」
「そうです、アレが有名な
標準語で答えるイプシロン(仮)。
。―――。
とりあえず獏を浴槽から出して、気を落ちつけようと冷たいシャワーを浴びる
髪をタオルで拭きながら、リビングへ戻る。
「あぁ…夢じゃなかった…獏だけに…」
零れた発泡酒を鼻で吸い込んで喉に流し込んでいる獏。
「イケる口やね、いや鼻か?アハハハ」
愉しそうなイプシロン(仮)。
「アンタ…馴染んでるわね~」
「獏は、無害やねん、おとなしいしの」
「そもそもの疑問があるんだけど?」
「なんや?」
「なんで、そんな幻獣代表みたいなのが、ココにいるの?」
「それはワシも知らんで…」
「湯船に浸かってたわよ」
「水浴び好きなんちゃう?」
「ビールも好きみたいね…」
「発泡酒や!! これは発泡酒や…」
「アンタより庶民の思考のようね…幻獣のくせに…」
「えっ?飼うんか?コレ」
「飼わないわよ!! 酒呑みが増えるだけじゃない!!」
「コレのせいやったんかな~」
「なにが?」
ショートパンツにタンクトップで冷凍庫からアイスを取り出して長いスプーンで食べている
「オマエ、そのアイス好きやのー」
「子供の頃から好きよ、この長い木の専用スプーンが大事なのよ」
「いや…オマエ、夢を覚えてないんわ、獏に食われたんや…寝られへんのもコイツやないやろか」
「なによ、その副作用」
「いや、ホラ、悪夢を食うてくれる代わりに、なんかあっても不思議やないやん」
「寝れないだけじゃないのよ、身体は睡眠を欲しているのに、寝れないのよ!! ツライの」
「コイツやろな~、タイミング的にも…」
「なんで、でも、いるのよ?」
「さぁの~、居心地えぇんとちゃうの?」
「迷惑だわ!! ハッキリ言ってハイリスク・ローリターンよ」
「夢を食うわけやから、あんだけ寝とったら、ずっと食ってられるからの~」
「だから寝れないんだって!!」
「今はな…限界きたら、また爆睡するんやろ、満腹のうちは寝かさんと、腹が減ったら満足するまで寝かしっぱなしにするんちゃうの」
「そうなの?ボケーッとしてるけど、
「ゲップ…」
獏が大きなゲップをした。
「ほらっ!! まだ満腹なんじゃない?しばらく寝れないんじゃない?」
「知らんがな…発泡酒かもしれんがな」
「無理! あっ、
「せやな、こういうのは専門家に相談やな」
「社員割引あるのかしら…」
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