第27話 ハワイの日系三世
第27話 ハワイの日系三世
ハワイの日系三世と日本からの旅行者は同じ日本の血なのに全く違う風貌だ。
ハワイの紫外線にいつも晒されている肌、食事の違い。それから英語の発音のせいか、口元や顎のあたりがかなり違うような気がする。
徹底的に違うのは体格だ。日本からの旅行者は華奢で色白なのですぐわかった。綺麗できちんとした洋服、細い腰まわり、ビーサンではない、ちゃんとした靴。そして猛烈に白い。
ハワイの地元の人は絶対にビーサンだ。バッグはシャネルやルイヴィトンでも足元はビーサンだ。不思議だ。決まりがあるのか?
私はハワイで太り、肌も日焼けして、あっという間に現地に馴染んでしまった。服も楽なのでほとんど袖なしのハワイアンドレスを着ていた。
ワイキキで買い物をしていたら、日本の女の子たちが話をしている声が聞こえた。
「ねえ、あのおばちゃんが今手に持ってる服、良いよね」ふーん、どこのおばちゃん?と顔をあげたら、ばっちりと目が合った
私だったよ。
絶対に現地に昔から住んでいる日系人と思っていたに違いない。しかも日本語わからないと思ってる~。
(顔をあげたけど、何言ってるのかしら~?)な小演技をしてレジでもかたくなに英語を通して、ソーっと帰ってきた。
というか、なんで?私何も悪くないよね?ちょっとむくれたハワイのおばちゃん。
ハワイアンの友人も少しづつ増えてきて、ある日結婚式に招待されたこともあった。
「ハワイ式の結婚式なんてどうしたらいいの~?」と夫に聞くと「じゃあ、出席者に聞いちゃおう」と電話をかけて
「着ていくものはやっぱりハワイアンドレスとアロハシャツが良いの?それから髪につける花は……」といろいろ聞いた。すると、なんとその人すごく驚いて
「え!! ハワイアンだと思ってた!!」
とハワイアンに言われてしまった。
やっぱりね、だよね、腰回りだよね。
どこに住んでも、なんだか地元に溶け込んでしまう。
「この街出身です」みたいな顔になっていく。もともと国際結婚と海外暮らしがあっているのかもしれない。
どうしても溶け込めない日本人妻達もいた。日本人としか付き合わないで、日本語ばかり話す人。そして、夫の国なのにアメリカの悪口を言う人。そういう人同士はグループを作っていた。
そしてハワイでは日本人妻同士の喧嘩もよくあった。私も苦手な人が何人か居た。
アメリカ人やハワイアンの友だちを作って遊びに行けばいいのに、もったいない。
私は自分が知らない世界を知ることがとても楽しいので、異文化交流は嬉しい事だ。
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