第26話 ハワイでの差別

26ハワイで差別

ハワイ国は2つの地区に分かれていた。


観光客が来る綺麗なエリアとロコの貧しいエリア。田舎の方に行くと日系の人がたくさんいるのだが、もう日本語は話せない。私達が住んでいたところも名前はSuzukiやYamadaで、顔も日本人風なのに日本語は読めないし書けない。なんだか不思議な気がする。

それからハワイアンの人たちは結束が固く、日本人もアメリカ人も嫌いと言う人も多かった。


特に子どもたちは頑なで、いじめの対象になるのが(肌が白い)(勉強ができる)

特に白人はハオレと呼ばれて嫌う人も多かった。これは本土とは反対の差別だ。

肌の色が白いアメリカ人そして日本の血を引く息子はつらい思いをしたと思う。

こういうのも住んでみないとわからないことだ。


家と夫の職場の間に湾があった。遠くに見えるのに道路をぐるっと回らなければならず、通勤に一時間以上かかっていた。ハワイの道路は日本よりも渋滞する。

ある日閃いたおとうたん。


「カヤック買って、海を渡る」

「ええええ~~??仕事に行くのに?」

「海を超えたら10分でつく」

「確かにそうだけど、大丈夫なの?」

「許可書を取ればいいんだ」

そういう問題じゃなくて~。


「だって、泳ぐのは禁止なんだ」

禁止でよかった~泳ぐ気だったんだ~。


やる気出したおとうたん。

すぐにカヤックを買い、海を渡り、仕事に行って、何日かは大喜びだった。


「すっごく早いよ、10分だよ。ああ~なんで最初から思いつかなかったのかな~!」

ですがある日青い顔して帰ってきました。


「サメがいっぱいいた!」


その日以来カヤックはガレージに眠っている。


ハワイ島でも、ウミガメが目の前にあらわれて、びっくりして押してしまった夫。


「押したの?」「だって、びっくりしたんだよ~」

ウミガメは怒っていたと思う。


アイダホは地平線な荒野、ハワイは海に囲まれた島。 文化も全く違う。言葉は英語だけど、アクセントもかなり違う。ちょっと日本語と似てるようなところもあった。(だよね?)みたいなときに、語尾に(ヤー)とつけるんですが、日本人としてわかりやすい。


どちらも同じアメリカなんだと思うとおもしろい。現地の人は(アメリカ)だとは思っていなくて、あくまでも(ハワイ)だと言っていた。ハワイでの生活は闘病期間も長かったけれど、日本食材も手に入るし、私にはとても住みやすいところだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る