ロスアンジェルス編
第30話 ロスアンジェルスに異動 母の呼び寄せ
次の異動地はロスアンジェルスに決まった。
ハワイの家を引っ越してロスアンジェルスに来る前に、日本で夏休みを過ごすために妹の家に1ヶ月居候した。不景気な時期に3人も押し寄せて来て、妹の旦那の怒りが爆発し、ついに後半は大げんかになった。失意のどん底のままLAに到着した。
この時に母は妹夫婦と暮らしていたのだが、やはりお互いが限界に達して母も家を出ることになってしまった。
そんな事情があり(親の呼び寄せ)をすることになった。
これはアメリカ在住者が家族をアメリカへ呼び移住権を取ることなのだ。
母は終戦後「これからは英語の時代だ!」とすぐに英語学校へ通い基地で長く働きていたので英語もかなり話せる。前から母を呼び寄せたいと思っていたが、長く暮らした日本を離れて外国暮らしは嫌と、首を縦に振ってくれなかった。
夫もいつも「ママ~アメリカに来ればいいじゃないか、一緒に暮らそう」と言ってくれてた。やっと母も決心してアメリカへ来ることになった。
まずは家探し。LAは家賃がものすごく高いので、予算内でなかなか3部屋の家が見つからなかった。ハワイも高かったけれど、軍から出る家賃の補助金でぎりぎり足りていまた。LAは小さめのアパートメントでも20万円以上の家賃で、3部屋のアパートはかなり足が出てしまった。
それから母が来るときにうっかり片道の飛行機チケットを買って送ったら、
LAに到着してから「入国できない!」と電話がかかってきた。往復のチケットを持っていなければアメリカに入国できないそうだ。
すぐに飛行機会社に問い合わせて、帰り用の仮のチケットを購入して空港カウンターに送り、やっと入国ができた。
すぐに軍で夫の扶養家族の書類を作り、IDカードの申請もした。
だが、なんとアメリカに住むために必要な永住権。いわゆるグリーンカードは実の子供じゃないと親のスポンサーになれなかったのだ。 このことは全然知らなかった。
それまでは夫が母のスポンサーになれると思いこんでいた。スポンサーになれるのはアメリカ国籍保持者のみなのだ。
「……え、ちょっと待てよ。 私まだアメリカ国籍取ってないよ~~」私は永住権の保持者で国籍はまだ取っていなかった。
永住権とは(ずっと住んでもいいよ、でも市民じゃないからな、政府の仕事はさせないよ)ということです。それプラス(アメリカ国民じゃないと親呼べないからな)ということだ。
こういう時に肝が座ったおっさんに変身する私。
「まかせとけ~今から国籍取る!いつかは取ろうと思っていたんだもん。これから勉強して最短コースで取る!」
「そんな、娘に国籍まで変えさせて、悪いよ、ここにいられないよ」と母が言うので
「いいよ、親のためならナニ人になってもいいよ!」と自分では感動的な良いこと言った!と思っていたら、
「あ、じゃあナニ人がいいかな?インド人とか?なんちゃって!」
……ふざけてる場合か? 本当に悪いと思ってないな。
そんな話をしつつ、オンラインなどでアメリカ国籍の取り方を調べはじめたのだった。
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