第20話 浮気や夫婦交換
うつ状態を救ってくれたのはやはり友達の存在だ。 基地の中に居た数人の日本人妻友達。それから近所の奥さんたち。
夫の仕事は皆空軍軍人なので、出張も多く、何もない田舎に残される妻たちはアメリカ人であろうとノイローゼになる人もかなりいた。特に外国から来た人は鬱もひどかったと思う。命を断ってしまった悲しいニュースもあった。
ジョリーンもLAからアイダホ生活でうつ状態になり薬を処方してもらっていた。家が近かったのと、それからジョリーン、アメリアとは家も近く子供同士が同じ年だったので毎日誰かしらの家に遊びに行く仲だった。
子供の誕生日パーティーには日本人アメリカ人どちらのグループも呼んだりして、そういう時はとても楽しかったのを思い出す。広い海苔が手に入ったので巻きずしの作り方を教えた。甘い卵ときゅうり、ツナを巻いた巻きずしはしばらくブームになった。
ジョリーンはなにもしないで過ごすよりも、と空軍の仕事をすることを決意してトレーニングを6ヶ月受けることにしたの。5歳の娘はその間旦那さんが見ることになった。 我が家含めご近所中が娘さんを預かったりして助け合いをした。
その6ヶ月の間にジョリーンの旦那とアメリアはできてしまった。当時は誰もわからなった。ジョリーンが出張から帰っきて、泣きながら
「帰ってきたら別れたいって」と電話が来た。私も思わず泣きながらジョリーンの家に走って行って話を聞いた。
ジョリーンはFワードばかり使うような女性だけど、本当に夫を愛していて純粋な女性だったのだ。 他の人たちは全く悪ぶれなく浮気をしていた。
スインガーと呼ばれる夫婦交換のカップルも居た。
もちろん私たち夫婦はそういう世界とは無関係なので聞くたびにひえ~~~とびっくり仰天していた。
そんな話を聞いて以来その夫婦達の顔を見られないというか、もっと見てしまうというか。へええええ
夫ママが遊びに来た時にその話をしたら
「浮気と夫婦交換かあ、そういう人結構いるよね、で、あなた達は誰からも誘われなかったの?」
マム、何言ってるの~?
「うん、誰も!でもね、もてないんじゃないよね、真面目だってことがわかってるんだよね、断るってわかってるんだよね」夫も「そうそう、そうだよきっと」
意外とのんびり見える田舎の方がこういうこと多いんだなあと思った。
そんなのんびりしたアイダホでしたが、緊迫した一日があった。
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