第7話 突然来たマリッジライセンス
米軍人と外国人(日本人であるワタクシ)の結婚は山のような書類をつくらなければならずに大変だった。 性病などの血液検査をして、指紋を取られ、逮捕歴の有無から精神疾患の検査とあらゆる検査もあった。
今までの学歴職歴の履歴書を提出するのだが、一日でも隙間があってはならないと言われ困った。アルバイトしてたり、何もしてなかった年もある。だが米軍側はその間テロ活動などしていなかったかなど調査しなければならないそうだ。なので「隙間は認めん!」と言うようなことをもう少しだけ丁寧な言葉で言われて書類を返された。仕方なく(近所の喫茶店でアルバイト)(家の仕事手伝い)なども書き込んだ。
今はどういうふうになっているかわかりないが、当時はありとあらゆる質問が書いてある書類にサインして提出した。その間に面接もあった。
提出以降も受理まで6ヶ月くらい待つ。
だが、諸事情により早く結婚しなくちゃダメなの!ってな人はアメリカへ行くのだった。ラスベガスに。そうすればあら、不思議即結婚。今もそうなのかはわからない。けれど軍の規定にかわりはないので、結局結婚後に山のような書類提出になるのかも知れない。
私たちはゆっくり待てばいいよねと、待っていたらある日突然
「はい、今日受理ね」とマリッジ証明書をもらった。いきなりだった。日にちなど選べない。受理された日が結婚記念日になった。日本の婚姻届も同じ日にしたいと慌てて市役所に出かけて行った。
家を探したのはそれからだ。結婚式もそれから計画した。
在日基地の教会での結婚式。チャーチで東洋の美女と西洋の美男子は結ばれた。(この部分のみフィクションです)
ウエディングドレスはアメリカのカタログでオーダーした。 サイズ6が大きすぎてお直し。アメリカのサイズ6はかなり小さめのMくらいだ。
うわ~~ん。 マイボディーカムバック! アメリカンな食事ですっかりサイズアップしてしまった。
ブライズメイドは中学からのお友達、大親友ちゃんがつとめてくれた。当時は英語もわからない言葉が多くて、例の(病めるときも健やかなる時も~)も英語だし、その後の誓いの言葉の
ワタクシ〇〇は〇〇を夫として~というところを言わなくてはいけなくて、ド緊張で、ひ~と声がひっくり返っていたはず。
夕方からのパーティーは、やはり軍の中の施設で。軍服での出席者が多かった。この日緊急出動があって、(当時のお仕事は救命士)ビーパー(まだ携帯電話もなかった日本語でポケベル。これがビービーなってた)が鳴り、さーっと10人以上いなくなった。披露宴なのに!
日本のお友達には特別パスを発行してもらった。そして披露宴といってもバフェスタイルのカジュアルなもの。基地の中のレストランからのオーダーだ。ウエディングケーキもオーダーしたもので、アメリカのケーキが激甘かったことはいまだに日本の友人たちに語り継がれている。
「昔はポケベルだったよね、仕事で自宅待機の時に持ってたよね。それに結婚式でビービービービー鳴って、10人くらい、いなくなっちゃったね」と懐かしく思い出した。
外出してビービーなりだしても、電話がない。やっと見つけた公衆電話でコインがない。
しかもアメリカは交換手が出る。「では○セント入れてください」
日本では10円をジャラジャラ持って電話をかけたっけ。 10円玉がなくて100円玉入れるのが悔しかったなあ。お釣りが出ないので。
こんな経験昔はいつもでしたね。
不便だった、それはそれでなんだかとっても懐かしい感じもする。
結婚式のことを思い出しながら、昔のなんとも言えない暖かいノスタルジーなあれこれを思い出していた。
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