霜月はつ果

この街には、死人が戻ってくるという奇妙な噂が囁かれている。 死んだはずの先輩と暮らす「俺」、事故死した兄と出遭ってしまった「僕」、疎遠になった幼馴染と再会した「私」。 戻って…

◇2023/12/22「カクヨム甲子園2023」【ショートストーリー部門】大賞受賞しました！ 深く迷霧の立ちこめる山岳。 山間にひっそりとたたずむ小さな庵に、妻とともに戦乱を避…

【カクヨム甲子園2022 SS部門 ポカリスエット賞】 高校一年生の彩は、先輩である香月の絵に惹かれ、美術部に入部した。 人の顔色を窺ってばかりだった彼女は、自分を変えようと…

入学前のオープンスクールで、文芸部顧問の津島先生に「君の小説が読んでみたい」と言われたことをきっかけに、『私』は黛高校に入学する。 文芸部に入学した「私」は、中村と櫻井という二人…

思春期の女の子らしきものの話です。

「やあ、目を覚ましたかい？」 目覚めた時、少女は見知らぬ部屋で見知らぬ人と共にいた。 何一つとして、自分の名前さえ覚えていない少女に、見知らぬ人が言う。 「これからよろしく…

※夏でした

精神退行した廃王に仕えることになった女料理人を主人公にした中華風の短編です。 〇姉妹編をまとめた短編集も始めました。 「偽王の晩餐と姫君の首」 https://kakuyomu…

あなたは、手紙を書いたことがあるだろうか。電車にでも乗れば、視界の一面がスマートフォンで埋め尽くされる現代。直筆で想いを伝えることは、物珍しくなってしまった。しかしそれは、大事な…

人間の暗く強い欲望が〈代数能力〉という超能力を発揮する現代の東京。それらを用いる超能力者は〈ロレム・イプサム〉と呼ばれ、社会の暗闇に潜んでいた。 堅物なお人好し――主人公の有動航…

高梁国の暗殺組織〈赤釵〉に属していた道士の夜静は、部下が自殺したことによって自分の在り方に疑問を抱き、〈赤釵〉から抜けようと決意する。脱退したことで身体は不自由になるが、余生は旅…

「僕は、孤独を原動力に小説を書いているんです」 新人賞を獲得し、乗りに乗った気鋭の小説家、K。 彼の才能を羨み、妬む主人公。 目標は、彼から孤独を取り上げ、小説を書けなくするこ…

空に焦がれる少年と、空に縛られた竜の物語。 カクヨム甲子園2022創作合宿「空」参加作品 執筆時期：高3 夏

また、あの春が巡る。 幾度も繰り返すその季節は夢か悪夢か。 その鳥籠から助け出すために――きっと、安楽死させなきゃいけないから。 滅びゆく街を看取る大樹の下で、少年は呟いた。 …

――彼氏が来る前に消さないといけないもの、それは私の身元がわかるもの。 柊介とは偽名で付き合っているから、病院の薬の袋は隠さなきゃ。 今、正体を明かして柊介と別れるわけにはいか…

髪飾りに憧れるボーイッシュな主人公、優。可愛らしい髪飾りを手に取って髪に合わせてみても全く似合わずに落ち込んでしまう。そんな時、好きな人と幼なじみに出くわす。好きな人の好きな人は…

花緑青(はなろくしょう)とは、明るい青緑色のこと。その鮮やかさから『エメラルドグリーン』とも呼ばれている。 花緑青の顔料は、絵具や建築用塗料として盛んに利用されていたが、有毒であ…

『僕』は白いベットの上で目を覚ました。ここはどこなのか、そして自分がなぜここにいるのか、混乱してる彼の元に一人の女性が現れ、彼にある一つの真実を告げる。 –––曰く彼は物語と現実…

深い海の中、わたしは物思いに耽る。 ずっと一人で。わたし自身を忘れながら。 とても簡素で表面的な海のお話。 海のことなんて、文章にはとても変えられないのだから。

「こんなに別れるのが寂しいなら、出会わなければ良かった」という気持ちをテーマに出会いと別れを描いた作品です。 主人公の梓は親友の優実に特別な感情を抱いていました。その気持ちに苦し…

深い、深い、雪に閉ざされた街。そこでいつも一人、雪かきをしている少年、ククルはある日、雪の上を歩いてやってきた不死身の旅人、サトリに出会う。楽しい一夜を過ごす二人。けれども、別れ…

2022年12月16日ビーズログ文庫より単行本にて刊行となります。 WEB版より大幅加筆修正をし、ラストシーンのあと、莉子がどうなったのか。 気になるその後も書籍版には収録されて…

僕――橘田柾人(きったまさと)には、恋の終わりが見える。 他人の頭上に、恋人と別れるまでの日数が表示されているのだ。 僕は、恋なんてくだらないと思いながら、クラスメイトの七里梓…

過去の記憶が変異し、やがて患者を蝕んでいく病『精神癌』にかかった恋人と過ごす、平成最後の夏の話。

「僕は父親を食べたのかも知れない」 　寡黙な祖母と二人で暮らす男子高校生・小日向 蒼依。彼の唯一の願いは目立たず平穏無事に過ごす事だ。しかし蒼依は、九歳の頃に起こったある事件の記…

春、出会いと別れの季節。 棄てられた線路、忘れられた駅、 錆びた留置線で朽ちゆく一輌の列車。 「卒業」を控えた或るローカル線へ紡がれる、精霊と少年の哀の唄。 【2021年4月…

カクヨム甲子園に三年間挑んだ私が、思いのままに書き殴った文章です。

【カクヨムコン７受賞⛩KADOKAWAコミックニュータイプ様で漫画連載中】 一章　岩手県遠野市『マヨヒガあるいは座敷童子』 二章　東京都台東区浅草『浅茅ヶ原の鬼婆および動く骸骨』…

そのサメが産声を上げたのは八月一日、午後二時十七分のことだった。 扇野学園オカルト研究会の部室で物置と化していたサメはその日、突然自我を持った。 「どこだここ？！」 一声叫んだ…

どうぞ「1」から順にお読みください。そうでないと意味がわからないと思います。 30話もありますが、すぐに読み終わります。 できればブラウザで読んでいただきたいです。 カクヨム…

まさかの恋愛です。少しだけほっこりします。一切反省していない。

「赤いきつね」「緑のたぬき」幸せしみるショートストーリーコンテストにて『赤いきつね物語賞』を受賞致しました！　ありがとうございます！ 双葉の元には今月も一箱の贈り物が届く。 そ…

あたしにはすきなものがいっぱいあるの。 ママでしょ、パパでしょ。それからおともだちのみきちゃん。 あと――みどりのたぬき！ おともだちのみきちゃんももちろんそうだとおもったのに…

高校一年生の志津本翠（しづもとみどり）は、変なクラスメイトにつきまとわれている。 彼の名前は市井公介（いちいこうすけ）。「泣ける」小説好きで思い込みの激しい彼は、なにかと翠を「…

竜人の騎士と、盲目の少女の物語。 執筆時期：高2 冬

柊千尋は大学二年生でありながら、記憶喪失によって高校時代の思い出が一切ない。ある日、千尋の友達と名乗る人物から連絡が来たのだが……

【ファンタジア文庫様から書籍化決定！】 ある日突然現れた神が、『人間レベル』システムを世界に公表した。 善行は加点し、悪行は減点する。 それだけの単純なシステムの施行により、世…

どこにでもいる平凡な男子高校生立花あおいは、ある日屋上で同じ学年の七瀬ひなたと秘密の約束を交わす。 バイオリニストとして数々の賞を受賞してきたひなたと、小説家になるという夢を捨て…

路風(みちかぜ)中の真木瞬介は3年前の市内大会が原因でリレーを走ることを頑なに拒否していた。 「どうしても瞬介とリレーがしたい。お前にアンカーを走ってもらいたい！」 天才が故…

長閑な田舎に暮らす、一人の少女とその姉。 ある日少女は、人生の中で最も大きな決断を下す。 しかしその決断はあまりにも無慈悲な現実を見せるが、それでも少女の願いは一貫していて——。…

社会人の今井さんと、ちょっと天然でぺったんこな高校２年の羽月ちゃんが繰り広げる10歳差のラブストーリー。 平凡な日常が満たされてゆく。 糖分多め(当社比)でお送りします。 前作…

眼鏡のレンズの向こうに見える人間の頭に不思議な二本の矢印が見える。 それは好きな人間と嫌いな人間を示す不思議な眼鏡。 その眼鏡の持ち主である女子高生の志倉ナナは、臆病で、人と…

Let there the sun be.

超大幅改稿済み。 一人の猟師が雪山にて死体で発見された。 熊に襲われたと思われるその死体は顔に引っ搔き傷のようなものができていた。 果たして事故かどうか確かめるために現場…

こちらは、lachs ヤケザケ様の「物語終了課」と結月花「白銀の狼」のコラボ作品です。 未完の物語は暴走し、人を巻き込む。本間達が巻き込まれたのは、「白銀の狼」の世界で── ※…

カクヨム甲子園2021ロングストーリー部門奨励賞受賞。 夏が終わり、季節の変わり目。 クラスメイトにして親友のアンドロイドが、どうやら一人の女子に恋心を抱いてしまったらしい。 …

妖怪を不可視にしていた結界が破られてから数百年が経った。 現在横浜にある旧中華街は、繁華街ではなく、妖怪を取引する『鬼市』の市場となっている。 四神の一つ、青龍の取引が行われ…