人間レベル

作者 橋本

67

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★★★ Excellent!!!

ある日神様が現れて、人々は全ての行いに点数を付けられるようになった。

善行を働けば、加点を。
悪行を犯せば、減点を。

現世で貯めたその点数により、死後の行き先が決まる。天国か地獄か。

そんな世界になった。当たり前に、誰もが率先して善行を働いた。そしてこの世は、平和になりましたとさ。

めでたしめでたし。。

で終わらないのがこの物語!!

平和な世界でも、人は悩む。苦しんで、答えを求める。そして気付くんだ。この世界は、少しだけおかしいって。。

間違ってなんかいない。でも、納得がいかない。だから、悩んで、悩んで、悩み抜く。それでも、答えなんて得られるのだろうか。

えっ? 何言ってるか分からない?

じゃあ読んで見れば良い。きっとあなたなりの答えが見つかるか、僕と同じ様に、読み終わった後も悩み続けるだろう。

ああ、面白かった!!

ちなみに、本当はお星様三つ付けたかったんだけど、これは僕の読者としてのワガママで、二つにしました。

なんというか、きっと作者様は意図して物語の展開をスピーディにしていらっしゃると思うのですが、僕はもう少しゆっくりと、なんなら後五万字でも10万字でも、ゆっくりと読みたかったからです。

つまりそれぐらい面白かったから、もっと主人公と一緒に悩みたかったと思ったので、すなわち読者のワガママで、星二つです。

読ませて頂きまして、本当にありがとうございました。

いや、やっぱり星三つにしときます。意地張ってすみません。だってもっと読みたかったんだもんっ!!

★★★ Excellent!!!

善悪がポイントになって、その点数で天国行きか地獄行きかが決まる。そんな世界のお話。
善意ってなんだろう。感謝とは? 誰かが見ているから、善行をするのか。その善行はほんとうに良い行いなのか? 判断基準はなに?
読者は幾重にも問いかけられる。解は人それぞれだろう。神ですら、このシステムを疑っているのだから。

深い。名作です。この小説に出会えて良かった。ありがとう。

★★★ Excellent!!!

無思考な「形式主義」が蔓延する昨今、その功罪を効果的に切りとるには「偽善」はまさにうってつけの素材。
そこに着目したこの作者の、センスの良さを感じます。

《天上界の事情》《システム》《補正》とよく練られた設定を用い、《システム》に翻弄される人々の姿を通して、問題点をあぶり出し、丁寧に展開していきます。

しかし、ご安心を。
テーマ性の強い素材を扱いながらも、話の展開も会話の掛けあいも自然で上手。会話で引きがちな作品をよく見かけますが、本作はストレスなく読み進められます (*^^*)

時には立ち止まり、我が身を振り返ってみるのもいいのではないでしょうか。

★★★ Excellent!!!

『人間レベル』という神が作ったシステム。その設定がほんとによく出来ていて、物語が伝えようとしているテーマととても相性がいい。
一話一話が本当に考えさせられる内容。
善とは何か、偽善とは? 物語を通して一切の無駄もぶれもなく、物語としても常に高いレベルで、一つのテーマを読者に投げかけてくる。
文章も読みやすいし、構成もキャラそれぞれが抱えた問題や価値観も、とても練りこまれて考えられた、素晴らしい作品だと思いました。
なんでしょうね、この星の数は。私が星を入れて50。。。
少なすぎやしませんか?
と個人的には思うのですが、流行りじゃないのか読まれていないのか、私の感覚がずれているのか。

もう一つの「パンダ」もめちゃめちゃ面白いのになあ。

★★★ Excellent!!!

まず『人間レベル』という設定が秀逸です。

その設定に対して疑問点を提示し、作品世界を掘り下げていくストーリー展開、過不足なく読みやすい文章、そして読み終わったあとの余韻。すべてが見事としか言いようがありません。

善と偽善と独善の違いという重いテーマを、読者の深いところに投げかけてくる、とても考えさせられるこの作品。

星3つではまるで足りない、もっと多くの人に読んでもらいたい名作です。

★★★ Excellent!!!

レビュー本文、遅くなって申し訳ありません。
プロローグから『人間レベル』という作品の設定を思い切り読者に提示してきます。会話形式にすることでかなり読みやすく、物語の中に入り込みやすくなっています。
『人間レベル』というものが世界に蔓延しているという架空の世界で展開されるこの物語は、一人の男子高校生が主人公です。
その主人公は『人間レベル』に不信感を持っていて、『人間レベル』に反対する行動ばかりをとっていた。しかし、様々な出来事を通じ――。と、まあ、こんな感じです。
設定、展開など、どれをとっても一級品の作品です。こういう作品はどうなったのか続きが気になるぐらいが良いのでしょう。
個人的な感想を言わせてもらうのならば、終わり方が『ソーシャル・レアリティ』のデジャブ感を感じたり感じなかったり。同じ作者ですからね。善とは何か。偽善と善は何が違うのか。感謝しなくなるとはどういうことなのか。しっかりとしたテーマがある作品で、私もこういうのが書きたいなあ、と読みながら自分のふがいなさすら感じさせられました。★3、ほとんどつけないんですけどね。これで四作目ですよ。まさか二回もつけるはめになるとは思いませんでした。
紛れもなく良作です。
是非ご一読を。

★★ Very Good!!

元来、人間が己の生を全うする事に対してひたむきになれるのは、
いつかは誰しもに死が訪れ、全てが終わる時が来るという、目を逸らしがちな事実が前提にあるように思います。

自分に与えられた時間は有限であり、いつかは全てが失われる時が来る。
だからこそ多くの人は、自分が生きた意味を求めるのではないでしょうか。

生きた意味の形は人それぞれあります。
自分の子供のために、より多くの富を遺そうとする人。
可能な限りの享楽を味わい、面白おかしく時を過ごそうとする人。
何らかの偉業を成し遂げ、歴史に名を刻もうとする人。

この世界は、一人の人間が全てを知るにはあまりに広い。
なればこそ、人は多様な文化の中から、自分にとって卑近なものに関心を寄せ、自らの生の時間を割く。
人々が、さまざまな価値観で各々の日々を精一杯生きているのは、そういった背景によるものです。

価値観が違うゆえに「他人の心の内側はわからない」のであり、
だからこそ、人がなす善行を、善であると盲目的に信じられるという部分もあるものです。

ですが、それが全て覆されたらどうなるか?

誰もが同じ価値観の下、生を終える瞬間に備える世界。
エサを奪い合って栄養を蓄え、羽化の時を待つ幼虫の群れと、何が違うと言うのでしょう。

本作は、人が人である所以を問いかける、メッセージ性の強い良作です。

★★★ Excellent!!!

おもしろかったです(funnyではなくinterestingのほう)。


社会にはルールが必要ですが、それが人を幸せにするとは限らない。
その『ルールに踊らされる人間たち』と『神様が決めたルールへの強烈なアンチテーゼ』が表現されており、これは賛否両論出るかもしれません。

ですが、重たいテーマを扱いつつも後読感はけっこうさわやかです。
かんたんな文章で綴られており、また、ラブコメ要素もあってキャラクターも魅力的です。


かなりおすすめです。

★★★ Excellent!!!

 非常に考え深いテーマを作中全体で表した素晴らしい作品。決して明るい話ではなく、また読み終えて納得できない人もいるかもしれない。
 でも、それこそがこの作品が我々に植え付けたテーマであると私は思います。

 人間の根底にあるネジ曲がった偽善を露見させている世界で主人公はある出会いと出来事で真実の善意に気づく。
 それは、とても純粋で醜い悪意によって隠されていたのだ。
 全ての話に意味と深いテーマと悲しい皮肉があり、★三つでは収まりきれない面白さを秘めている。
 暗い作品が好きなら是非読んで頂きたい作品!

 一言紹介に四つ目の★を付けさせて頂きます。

★★★ Excellent!!!

神様が、人間の善行に対してポイントを与え、死んだ時点でのポイント数により天国行きか地獄行きかが決まるという世界。(神様は定期的に夢の中に現れるので、自分が現在何ポイントかは把握できる)

という、心理学の思考実験のような世界観で、繰り広げられる人間ドラマ。極端な設定だけに、人間性があぶりだされるようなシーンが多々あり、胸を打ちます。

作者の熱い思いが伝わってくる小説です。魂の叫びを感じました。