「善」について、深く考察した作品

無思考な「形式主義」が蔓延する昨今、その功罪を効果的に切りとるには「偽善」はまさにうってつけの素材。
そこに着目したこの作者の、センスの良さを感じます。

《天上界の事情》《システム》《補正》とよく練られた設定を用い、《システム》に翻弄される人々の姿を通して、問題点をあぶり出し、丁寧に展開していきます。

しかし、ご安心を。
テーマ性の強い素材を扱いながらも、話の展開も会話の掛けあいも自然で上手。会話で引きがちな作品をよく見かけますが、本作はストレスなく読み進められます (*^^*)

時には立ち止まり、我が身を振り返ってみるのもいいのではないでしょうか。

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