★偽善者が自分の偽善を悔やむ瞬間っていつだと思う?

レビュー本文、遅くなって申し訳ありません。
プロローグから『人間レベル』という作品の設定を思い切り読者に提示してきます。会話形式にすることでかなり読みやすく、物語の中に入り込みやすくなっています。
『人間レベル』というものが世界に蔓延しているという架空の世界で展開されるこの物語は、一人の男子高校生が主人公です。
その主人公は『人間レベル』に不信感を持っていて、『人間レベル』に反対する行動ばかりをとっていた。しかし、様々な出来事を通じ――。と、まあ、こんな感じです。
設定、展開など、どれをとっても一級品の作品です。こういう作品はどうなったのか続きが気になるぐらいが良いのでしょう。
個人的な感想を言わせてもらうのならば、終わり方が『ソーシャル・レアリティ』のデジャブ感を感じたり感じなかったり。同じ作者ですからね。善とは何か。偽善と善は何が違うのか。感謝しなくなるとはどういうことなのか。しっかりとしたテーマがある作品で、私もこういうのが書きたいなあ、と読みながら自分のふがいなさすら感じさせられました。★3、ほとんどつけないんですけどね。これで四作目ですよ。まさか二回もつけるはめになるとは思いませんでした。
紛れもなく良作です。
是非ご一読を。

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