印象的なシャーロック・ホームズの名言から始まる本格ミステリーです。若手最強でありながら奇想天外な刑事と、穏やかな同僚。二人は雪山に出現した或る事件に挑みます。そこで不自然な足跡に遭遇したとき、「アイリーン」と名乗るAIが登場して……。はたしてアイリーンは味方なのか敵なのか。AIは人間を超えるのか否か。人間ならではの視点の意義を是非、見届けてください。
タイトルから「ホームズパスティーシュ」かと思ったが、れっきとした一次創作であり、次なる物語も読みたくなった。犯罪心理学が、過去の事例から推測し、プロファイリングを行う現代を踏まえて考えると、本作は文字通り「近未来」的な作品と言えるだろう。本作のようなラストに向かう際、多くの場合、AIは無味乾燥な存在として位置づけられることが少なくないが、本作は非常に個性的な性格を有しており、しっかりと相棒として活躍しているのが魅力的である。
文面が綺麗で、ストーリーが極めて簡単、かつ面白い。これほどのミステリー、高校生で書けることに感動した。
大雪。額には引っ搔き傷のようなものが刻まれている。周りを見ると熊らしき足跡。犯人逮捕補助AI アイリーン。するどい推理です。面白い設定です。推理とは何か、真実をぜひ。