@kyonshi27

短編らしく結末は想像しやすい。その過程が面白く、短いながらに深みがある。 夢のような日々から移り変わって、夢のような未来を迎え入れる。叶えていなかった、かつて叶えられなかった夢も現…続きを読む

生贄に始まる、虎と少女の長い旅路。 優しくも少し不器用で、純粋ながらに覚悟を持たされて、そんな組み合わせのぎこちない歩みに心は洗われる。 人とは、人間とはなんと浅い生き物か、考えだ…続きを読む

情景と小気味良い会話、これらの描写が非常に良かった。背景、人物の様相、読み進めれば進める程に色鮮やかになり、読み手を置いて行くかのように煌びやかに時間が流れていく。 心地良いひと時…続きを読む

結末をどう受け取るか、世界平和は一生涯、永遠に続くものなのか。その答えは、キャッチコピーの通り、正解が見えないものである。
地球と人類だけが全てではない。

少々悔しい思いにもなる出来。
要所を挙げるのも、気掛かりを指摘することすら無粋であった。キャッチコピーの通りである。
見事。

家族に起こった災難を、緊張感無く危機感無く、一員の身以上に財布事情を心配するコメディ調の事件簿。
終始一般家庭的な日常風景が見えて面白かった。実在の舞台が出るのも良い。

対流れ星は幾星霜続く、という内容。 空が支配されることは恐ろしいことで、未知への脅威を常に感じることになる。 その中で、失うもの、感じること、そして気付き知ることがあるという。 こ…続きを読む

4000字内に過去と現在の事の顛末が描かれており、秀逸、そしてそれだけの時を収めてしまう残酷さも感じられた。 冷ややかな感情を持って、ある種の、ある視点の人間らしさを見ることができ…続きを読む

すれ違いから生まれた物語の一編、そこから得られたものはギャップ萌えである。
一連の理由あって出てきた表情に、短編作品の良き味わいを感じる。

タイムスリップ、異世界転生、それらが気軽に転々と巻き起こる身で、あらゆる人生を経験していく。積んだ経験は無駄にならずに繋がり、次の世界の力になる。 果てしなく続く転生に、当人は馴染…続きを読む

記憶を映像として記録出来る時代。薄らせた思い出を美化しながら、当時をその目で見る。
形は変わっても色褪せない物はあって、目はそのうちに未来を捉える。美しいものだ。

鉄板の異世界転生。主人公と、転生後共に成長してきたベアトリクス、学園を舞台に取り巻く生徒たち。真面目か不真面目か、見えない目的を探して日々過ごしていく。 ラブコメが主体となっており…続きを読む

短編でいて、まだ続く、どこからか続いている、を感じさせながらも入り込みやすい。シリーズ作の派生とのことで、ついそちらも読みたくなるような魅力があった。 追われ、そして追い、辿り着け…続きを読む

目で追う短く長い、旅立ち。 場所が変わり、出来事があり、導かれて辿り着く。小説元来ある筋道を、これでもかとすんなり飲み込まれ、行く。 厚さのある1冊読み終えたような、そんな旅であっ…続きを読む

四つ足であれ尾鰭であれど、どれも世にある命。残酷な純粋がそれを覚えるには、幾度と殺しを犯さねばならない。 釣れぬは神の御告げ、忘れは学びの誘い。 彼らは若いうちに良い体験が出来ただ…続きを読む

暴走族をも壊滅させる地上最強系女子は恋に奥手である。クラスの平凡な男子に惚れ、恋焦がれていく。 地上最強系女子の岩熊さんを視点に、心情丸見えの文章が展開されていく。恋に落ちた屈強な…続きを読む

研究によって生み出された人間でない、異形の化け物。愛情を持った男は、それを娘とする。パパになる。 ふたりは年月を掛けて愛を強め、壊れていく。化け物が受け入れらぬ世界を生きてしまった…続きを読む

ある楽曲の歌詞を引用「人は過去に学び前に進むはずだ」。これは恋の歌であるが、何にも当てはまる。人生に当てはまる。 大元が無ければ今の自分へは辿り着かない。忘れてはならない。又、改変…続きを読む

見える感情はアタシの物。中学生らしい気持ちがまざまざと在り、年齢に囚われたれっきとした恋心である。
題に違わぬ結末に萌え、を覚えると良い。

田舎町、島、そして漁村、そのような場所には決まって不思議がある。伝説があり、過去の当然が残る。 果と過ごした相手は皆近くにいて、やがて離れていく。離れていてもそばに居る、とは文字通…続きを読む

全2編の短編作品。 感じた事は、終わりの先の光。止んだ後の雪を太陽が照らしているような、そんな光。 筆者の別作品と世界観が繋がっているようであるが、この作品はこれだけで完結している…続きを読む

現代社会に溶け込もうと、流れに追随しようと若者は努力する。光を見つけ、光を追いかけながら切磋琢磨して、闇を生きる。 この作品における主人公には何も無い。大学へも、それまでの人生にも…続きを読む

文章全体が整っていて、夏のひと場面へと滑らかに誘ってくれる。夏の情景は、更に内なる涼しさを醸し出して、心地が良い。 ひとつの日常に重なる、夏の奇跡か、必然か。急展開と感じる事も無く…続きを読む

これもまた結果。上辺だけでも楽しく、深く入れば人物の行動に考えられる事もある。役職を持って役目を果たし、それを失わずに結果を生み出した。当人からすれば理解が及ばない。しかしそれが奇…続きを読む

人間誰しも夢に思うことがあるだろう。これはその一端。いくら現実味が無くても、どれだけ危険を孕んでいても、知れば嬉々として追ってしまう。人間の性が良く現れた作品に思う。コメディテイス…続きを読む

カクヨムにて小説以外の作品を読むのは初めて。坂本龍馬の暗殺を、現代における可能な視点で考察される。 都市伝説や陰謀論に多く登場する、龍馬暗殺。医学的視点から語られる事は、目にする事…続きを読む

ミステリー作品には鉄板が存在する。鉄板を使いどう調理するか、何を扱うかが短編において楽しみと着目した点である。 出会い、人物の登場、事の発生、解決、クライマックス、どんでん返し、良…続きを読む

古くから日本にあった文化で、現代にも伝わっている事。ここでの、神隠しにあった者たちはある種の群れを作るといった話も有名。この作品は伝統を、語り口調の形を取って現代に伝えている。 一…続きを読む

話は比較的単純でわかりやすいもの。短編という事で間延びすることも無く、すっきりと物語が入ってくる。 気が付けば優しく、そうでなければ非難を浴びせたくなるだろう。貴方はどちらか、確か…続きを読む

人々が言葉を失い、品番的な記号が氾濫した世界。かつて言葉を扱った人は言葉を放ち、その力を見せつける。 学術上の記号学とは違い、ひとつひとつに割り振られた記号が言葉の代用となっている…続きを読む

作品については、作品名、作者のキャッチコピーがこれ以上なく語ってくれている。レビューの題に迷わされた。 思春期真っ盛りの吹奏楽少女が出会う恋、知っていた愛、記憶に残る部長、それらが…続きを読む

どこまでも純粋で優しい。偽りや騙し、嘘のない心がクリスマスの冬景色を暖かく彩ってくれる。
人が人の温もりを忘れた頃にまた読みたい、そんな作品だった。

2話完結。夏の思い出と夏を迎える頃。初めに話を区切っていることに意味を感じた。あまりない事で次話を開いた時、心を掴まれた。 少女だったふたりの儚い物語。どんな想いを抱き、秘めても時…続きを読む

人が食の好みを持つのは恋と思う。食が食を愛する事は考えたことがなかった。 互いに種類も形も違えば、味も温度さえも違う。交わる事のない2種は偶然か必然か、互いを見つめ、そして出会う。…続きを読む

透き通った日常と非日常の狭間、ガラスの玉を通して覗いている気分にさせられた。
この気分をまだ味わっていたい、そう思えた。広がる海の真ん中で、過ぎる時を忘れて沈み込んでしまいたい。

未来の可能性のひとつ。触れ合い、関わり合いからストレスを生み出してきた人間が辿り着いた結果は、完全なる堕落である。現代人からすれば結果こそがストレス。かつて、を知る人間はこの結果を…続きを読む

暗い夜に終わり、暗くなる前に別れが起こる。子供の1日を表しているようだった。 強調されるは色と食、嗜好、思考。中学生に関わる大きく見える存在たちは、彼に体験を与える。旅立ちを目撃し…続きを読む

終わりを迎えて別れが来る。幾度となく見てきたものだ。この作品はそれを民謡のように、能楽の謡のように滑らかに表現している。 先に何が起こるか、彼や彼女はどうなっていくか、深く考えたく…続きを読む

全ては文字通り。この字面だけで伝わる物ではなく、言葉は中にある。 関係、種、思い、想い。独りよがりで世界は回っておらず、ひとりの望みで希望は決して生まれない。淡い世界、淡い希望。そ…続きを読む

文章は甘く、しかし短くて読みやすいとも言える。この文章量で互いの感情を読むことができる点は、短編作品において素晴らしいことだろう。 男女ふたりの高校生活。互いの語りから、長く、永く…続きを読む

囚われないで過ごせるならばどんなに幸せだろう。人生があって、日常がある。しかし人は日常的に捕らわれ続けている。むしろ自分を縛ってくれとばかりに進んで行く。下がっているとも知らずに。…続きを読む

連載作品ながら続きはない。しかしこの始まりこそが終わりなのかもしれない。 時代は変われど人は生きる。人間という生物がいる限り、そこに生は有り続ける。常を認識できなくなっても、歴史が…続きを読む