田舎町、島、そして漁村、そのような場所には決まって不思議がある。伝説があり、過去の当然が残る。果と過ごした相手は皆近くにいて、やがて離れていく。離れていてもそばに居る、とは文字通り。人間と共にすれ違っていく女性の想いを感じて、温かくありたい。
海辺の漁村に育った私の人生は、幼いころ世話をしてもらったさな、結婚相手のいを、最後に現れたとわ、そっくりの相貌を持つ三人と共に、人魚の鱗を軸にしてどこまでも廻っていく。 (作者による紹介文全文)