概要
旅に出たおまえは見慣れぬ事物に戸惑いつつも終着点で目的を果たすだろう。
ある人物が自分に代わって弟を遣いに出す短いお話。タイトルは日本語で「けんじゃ」と読めば単に「見る人」「見物人」の意ですが、フランス語の voyant には幻視者や千里眼のニュアンスが含まれます。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!誘われる、旅の匂い
これが千五百字にも満たないとは。
二人称小説は珍しい。一方でゲーム関係では何かと馴染みが深い。ゲームブックはまず二人称で書かれているし、TRPG 界隈でも似たような表現手法を見かけることがある。ハードが紙から PC やゲーム機、そしてスマホへと移っても、ユーザの体験を軸とするゲームにおいては二人称小説のエッセンスは息づいている。
俺はこの、二人称独特の誘い感とでも呼ぶべき感触がとても好きだ。ゲームをしていてそれを見つけた時、なんとも言いえぬときめきがある。
自分の選択がこれから世界に影響を及ぼす。だが、見えているものはほんの一端でしかなく、選択の先に未知が無限に広がっていることを示唆さ…続きを読む