見者‐voyant‐
深川夏眠
voyant
おまえは弟だから家憲に従って出発せねばならない。まず、歩きやすく頑丈な靴を用意し、背嚢には着替えと非常時に備えた固形食糧、水筒を詰めよ。貴重品は紐のついた小袋に収め、暑さを凌げる軽く風通しのいい長衣の下に隠せ。列車でコンパートメント席を確保できねば、混雑する二等車両の人いきれに耐えて砂漠のオアシスを目指せ。路地裏の下宿屋の一階が看板を掲げていない食堂で、寡婦とその娘が切り盛りしている。悪くない飯にありつけるはずだ。人混みには
voyant【FIN】
*2021年3月 書き下ろし。
**縦書き版はRomancer『掌編 -Short Short Stories-』にて
無料でお読みいただけます。
https://romancer.voyager.co.jp/?p=116877&post_type=rmcposts
見者‐voyant‐ 深川夏眠 @fukagawanatsumi
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