坂本龍馬の暗殺という歴史的事件を、最新法医学の視点から解き明かす本作は、歴史ファンやミステリー好きにはたまらない一作です。血痕や刀の特徴、さらには建物の構造まで、物的証拠を科学的に分析していく過程が非常に丁寧で、「歴史の謎を科学で読み解く」という新しい視点が光っています。
本作の魅力は、なんといってもその斬新なアプローチ。特に、坂本龍馬を斬った武士の技量や使用した小太刀についての考察は、読者の知的好奇心を刺激し、「あの歴史的事件にこんな見方があるのか」と驚かされます。また、当時の証拠品や建物の構造を基にした推理は説得力があり、作者の熱意や研究の深さが伝わってきます。
ただ、「ちょい辛」の視点で見ると、情報量が多く専門的な部分が続くため、読者によっては少し難解に感じるかもしれません。例えば、法医学や歴史の知識に詳しくない方にも親しみやすくするために、簡単な解説や図解、ドラマ性のあるエピソードを盛り込むと、さらに幅広い読者層に届くと思います。また、物語性を少し強化して、登場人物の心情や当時の情景を鮮明に描くと、歴史好き以外の読者にも感情移入してもらえる作品になるはずです。
それでも、科学的手法を用いて歴史の真実に迫るという試みは非常に魅力的で、知的な楽しさを存分に味わえる作品です。「坂本龍馬の暗殺にこんな視点があったのか」と新しい発見に出会いたい方、歴史をもっと深く楽しみたい方にぜひおすすめします!
最後の結論には、きっと驚きと納得が待っていますよ✨
ユキナ(ちょい辛)
この作品は、最新の法医学から見た坂本龍馬の暗殺者に迫る、というもの。
作者さんが何者なのかはさておき、なかなかに面白い。
フィクションでは無いのですが、法医学以外にも、怨恨や様々な証言からも犯人に迫っており、極上のミステリ小説に目を通しているかのようなワクワク感が味わえます。
あまり歴史を知らない方(特に幕末)は少し難しいかもしれませんが、事件のあらましをおおよそ分かっている方なら、きっと、近江屋付近の息遣いを感じることも出来るのではないでしょうか。
事実はどうなのかはさておき、そんな歴史に思いを馳せてみるのも、なかなかに面白いですよ。