【童話風】神隠しの松五郎と姥捨てのとら

――神隠し。それはつい200年前ほど前まで日本の貧しい農村部などで行われていた風習。
大飢饉に遭った村で今日も一人の少年が、神に隠され、行方をくらませた。

※作中、主要な高齢の女性の一人称を「おれ」としています。これは今でも農村部にみられる使い方で間違いではありません。
※作中の「欠落（かけおち）」についての説明。色恋沙汰の駆け落ちとは別の言葉。年貢を納めるべき者などが、夜逃げなどで無断で逃亡すること。江戸時代は集落ごとに納めるべき年貢の量が計算され、庄屋などが各農民にノルマを割り当てていたため、逃亡すればノルマのピースが文字通り欠落することとなり、庄屋や村長などがその責任を問われた。
※この作品はカクヨムでのみ公開しています。