堕ちる以前に枯れ果てていた

現代社会に溶け込もうと、流れに追随しようと若者は努力する。光を見つけ、光を追いかけながら切磋琢磨して、闇を生きる。
この作品における主人公には何も無い。大学へも、それまでの人生にも、身が無い。反対に、それは最も自分勝手で最も光に近いとも言える。闇を無視した結果である。最期も自分勝手を貫き、何処までも醜く果てる。闇に生きる健常者を道連れにして。