未来の可能性のひとつ。触れ合い、関わり合いからストレスを生み出してきた人間が辿り着いた結果は、完全なる堕落である。現代人からすれば結果こそがストレス。かつて、を知る人間はこの結果をどう感じるか。作中から感じられる未来技術の進歩、ひとつになった社会。生物は不要な物を失っていくもので、果たして未来の彼らは自然環境に耐え得る肉体を持つのか。過去を抹消されている世界に未来は生まれるのか。考えることは沢山ある。
現在から未来を予想して構築された世界観が面白かったです。現在の私たちにとってごく当たり前のことが、劇中の人たちには異常とされ、過去のこととして封印されようとしている……読んでいくにつれて、ゆっくりと恐怖が足元から這い上がってくるような感覚に襲われました。しかし、主人公が過去を思い出してくれたことで、わずかに希望を感じる終わり方だったと思います。