橘 紀里

大図書館に勤めるトラベルは、故郷不明の存在喪失者である。 期末試験の一環で『世界最後の詩』を探すはずが、とある生徒の実験に巻き込まれ、本来の行先ではない滅んだ世界―――通称『禁書…

トウム・ウルという空に浮かぶ大きな生き物の上に暮らすトウム・ウル・ネイ。 トウム・ウル・ネイの結婚は、男が女を攫うこと。ただし、攫うと言っても事前に両家打ち合わせてのことだ。 ト…

普通の女子高生の結芽（ゆめ）は「普通」に退屈している。ある時ショーウィンドウに飾られたモザイクガラスのランプに誘われるように入った雑貨屋で、うっかり商品を落として壊してしまった。…

異界を渡り歩き、声を持たぬとされている精霊の声を聞き、精霊に歌を捧げる回遊民である「界渡（かいわたり）」に関する調査報告書。 ※横書き表示推奨 ※風土記系FT短編小説競作企画「…

トウム・ウルは空に暮らす大きな生き物だ。翼はなく、島ほどの大きさで、泳ぐように空を飛ぶ。そのトウム・ウルの背中で暮らしているのがトウム・ウル・ネイだ。 　＊　＊　＊ これは、…

「偽教授神饌杯」によせて書きました。二作目です。

ファンタジー世界を旅する《自分》の日記。不定期更新。

角川武蔵野文学賞によせて書きました。ファンタジーなのでライトノベル部門にしましたが、素養がないのでラノベっぽくないかもしれません。

「偽教授神饌杯」によせて書きました。

KAC2022によせて書きました。お題は「第六感」です。 拙作『みんなこわい話が大すき』等の派生ですが、そちらをお読みいただかなくても大丈夫です。

子だくさんな農家の三番目に産まれたエルチェは体が大きくて目つきが悪い。弟妹や近所の子供たちに頼られて、家業にバイトにといそしんでいるけれど、祭りの日に出会った少年と関わるようにな…

日々を漫然と過ごしている日記です

◆あらすじ 異世界から【この世界】に突然飛ばされて一年。 クロウは、喫茶店の店主アレイズに拾われて生活していた。 アレイズの持つ特殊能力を活かす、という条件で。 ◆主要キャラク…

未必の故意 〘法〙実害の発生を積極的に希望ないしは意図するものではないが、自分の行為により結果として実害が発生してもかまわないという行為者の心理状態。 （三省堂大辞林 第三版より…

昔の恋人の未練を千年引きずっている、不死身の怪物の物語

　灰色の空の下。 　追っ手から逃げる少女リゼを助けたのは、便利屋を名乗る風来者ランスだった。 　謎の少女と謎のおじさんが、この日、この場所で、奇しくも出会えてしまったおはなし。 …

「必ず爆発描写のある小説（新作書き下ろし限定）」および「偽教授少年杯」によせて書きました。

古川秀が少年時代の古川（以下秀）と生活を共にするようになって一ヶ月が経つ。秀は一か月前に古川のアパートにいつのまにかいて、そのまま居ついてしまった。古川がなぜ自分のアパートにきた…

自主企画「300文字の死」によせて。

ゆるふわ系の先輩とお喋りをする傍ら、隕石が落ちなかったり落ちたりするかもしれないお話です。 第一回厨二病小説大賞参加作です。 厨二モチーフは｢世界の終わり｣的ななにか。 気…

神に呪われた盲目の王子アーシュカは、その呪いを解くために巡礼の旅に出る。 王子に付き従うのは、流れ者で素性の知れない「青騎士」と呼ばれる男、ただ一人であった。 第一回神ひな川…

エッセイでもない、只の独り言です。 コレ読んでコイツ、ダメだと思ったらゴメンナサイ。m(_ _)m

　毒の霧を吸い込むと死ぬ。文明の失われた未来で生きる人間は、霧の入り込まないシェルターで暮らす。 　ロウは絵描きだ。昔の写真を模写して仲介屋のダグに金にしてもらい、ひとりで生活し…

概念ショタの獣系人外×死に損ない人間の食道楽伝奇ホラーの連作短編です

リレイ▶︎神様嫌いの天狼。天使の青年に化けられる。風魔法、歌魔法、医術。 フィー▶︎心が壊れているらしい、ぬいぐるみ遣いの少女。霊聴、霊視。 エメロディオ▶︎ぬいぐるみの身体…

基本、拙作『罪の女の歌を歌おう、コカ畑の木陰で、カリブの波間で』を読んでくださった方へお届けする番外編ですが、これを読んで興味を持ってくださった方が本編にお越しいただけるなら、そ…

人生はスラップスティック

これは実体験をもとにしたフィクションです

底辺に埋もれている星屑にしか過ぎなかった。そんなわたしが出逢った、読み専の神さまについての覚書。 誰もが一度は逢ってみたいと願うような、そんな人でした。

これがおれの（アンチ）ハッピーエンドだ

　いつの間にか芽生えていて、どうにもできないまま終わっていた初めての恋。 　一応、むかし話の『かぐや姫』を下敷きにしたお話です。 　光り輝く竹（物理）を目指した、不器用な少女の物…

　亜里沙はクリスマスイブに振られ、寝付けないままに朝日が昇る前の町中を歩く。 　そんな中、雪についた足跡に目を引かれ、たどる事にした。 　その足跡をつけていたのは、酔っ払いのサン…

動かなくなった女性とそれを見つめる少年。 ちょっとした何でもない話。

私達は何度も別れ、また再会する。 出会いと別れの輪廻に、終わりはないのだから。 ※KAC2022「出会いと別れ」参加作品です。 ©️2022-yuzuki hana ※…

どこかの国の、深い深い森の奥。 そこにはお化けたち専用の素敵なホテルがあるのだとか——。 miccoさんのお題スロット『ホテル』『頑張る子ども』『手を繋いでほしい』より。 唐…

骨董店で見つけたよく分からないもの。 ソイツが内包しているのは聖か邪か、夢かそれとも幻か。

地球崩壊から二億年超。銀河に離散し、それぞれの宇宙放浪期間を経て多様な天体に根付いた人類が、盟主星アルテラの下に新社会を築く時代。最先端の生命学研究所、通称ＡＩＶＲに所属するフィ…

イーデルト・クローデリア。 それは神子の目を持つ異形の娘に与えられた名前。 神の使い子の特徴と、異界の迷い子の特徴を、一身にあわせ持つイーデルト・クローデリアは、十五になったそ…

降ってきそうな星空の下、少年は銀色の玉を拾った。 銀色の玉は喋り、自らを『月の欠片』と名乗る。 そして、かつて存在していた月という星を教えてくれた。 　第25回「2000文字以…

仕事に追われて食生活をおろそかにしがちな先輩の〈俺〉と 金欠だが器用で料理上手の後輩〈沢村〉が 男二人でいろいろ食べるだけの話 続き→「うまいメシさえあればいい」 https:…

陸奥（みちのく）の国のとある山奥。 年老いた一人の樵が、或る雪の降る夜に不思議な少女「たるひ」の住む小屋を訪ねてきたという。 【公式自主企画】怪談・都市伝説・昔話の二次創作大…

　きみだけに見えていた十四の亡霊。 　あまりにも早すぎた別れの季節。 【お題】愛 【ジャンル】恋愛 【登場人物】『きみ』（中学生の少女）、『彼』（そのクラスメイト） 〈第五回…

あれから彼には会っていない(https://kakuyomu.jp/works/16817139556590650902）の後書き代わりの後日談です こむら川朗読小説大賞お疲れ様…

僕にとってのアガペーは傲慢です

ボツネタのサルベージです。現代ドラマか迷ったのですがホラーにしました。 おかあさんはお義母さんです。

女王・台与の命で伊勢平定に向かった騒速は、かの地を治める伊勢津彦の遁走後、人々を束ねることに。 伊勢津彦の娘と婚姻するよう申しつけられ、妻の狭依を想って悩むが、新たな問題が持ち上…

　大学一年生の日野紫（ひのゆかり）は夏が苦手だった。 　夜空に咲いた大輪の花。優しい二人の笑顔。 　美しいはずの夏色の記憶が、紫を暗い暗い過去に縛りつける。 　だが、ミステリアス…

2022年7月1日～31日開催の「文披31題」というイベントによせて書きます。あらかじめ決められたお題に沿って、毎日ひとつずつ書いていこうと思います。 詳細はこちら https:…