まだ連載始まったばかりで、現時点で公開されているのも第四話までなのですが、物凄く凄い上に物凄くかっこよかったので、レビュー書きます。
この作品はより多くの人に注目されなければならない、という使命感に突き動かされながら。
さて、この小説をお書きになっていらっしゃる偽教授さんは小説を書くのがとってもお上手な方です。
色々な方が「きょうじゅは小説が上手いよね」と仰ってるのを見てきたことがありますし、実際私もそう思っています。もしかしたら「何を今更」と仰る方さえいらっしゃるかも知れませんが。
で、きょうじゅさんの何が特に凄いかと考えてみれば、自分のスタイルを確立していらっしゃることや多作なこと、台詞回しのセンスがつっよつよなことなど、まあわんさわんさとあるわけですが、今回この『僅かに百年あれば足りる』を拝読して私が痛感いたしましたのは「得意なフィールドを沢山持っていらっしゃる」ということでした。
本作では、その強みが最っ大限に活かされているのです。
歴史・時代・伝奇物の重厚でかっこいい雰囲気、紅蜘蛛丸の朴訥な雰囲気、センスモリモリの男女の夜の会話、魅力的な女の子の軽快な描写……、
それらが息を吐く間もなくジェットコースターのように移り変わって乱高下し、ただ徒な装飾ではなく効力鮮やかな演出として襲い掛かることによって、まるでブラックホールのように読者を惹き付けてやまないのです。
ああ、これはきょうじゅさん以外に出来る人はそうそういないだろうなぁ、と溜息を吐きました。
いやぁ、凄かった。凄かったです。
題名の回収とか格好よすぎて期待感ハンパないですもん。
いや「期待」「期待」とか言って作者様への変な圧になるのも良くないと思うのですが、この四話だけ読んでも凄く楽しいんです。
あの、何というか、バトル漫画の強キャラが最初のオーラだけで主人公たちを薙ぎ払う並みの凄さでした。
私も読んでてこっからこの話がどういう方向に動いていくのかなとか今はまだあんまり分かっていないんですが、分かりにくさは全然なくて、と言うよりは「まだまだある」とか「こんな魅力的なスタートならこんくらい尺割いて当然ですよね寧ろたっぷり見せてくださってありがとうございます」いう感じが強いので、これから読む方も凄く安心して読めると思います。
きょうじゅさんをたたえよ。
(2022/08/11)