大図書館に禁書世界、存在喪失者にデンショバト。古風さとSCPとが混ざったような不思議な雰囲気を味わう間もなく、読者は主人公と共に事件に巻き込まれます。素直な主人公をハラハラ見守りつつ、次第に見えてくるのは、水晶や鉱石で彩られた異世界の数多い祭儀の魅力。ひび割れ壊れかけた水晶のような……硬質で危ういながらも心惹かれる、滅びに閉じられた世界からの報告書です。