14へ行こう、二度とは来ないあの特別な季節を生きよう

作者 和田島イサキ

201

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★★★ Excellent!!!

 正直迷いました。レビューを書いていいのかと。
 それは、私の稚拙なレビューで、この作品を穢してしまうのではないかという不安からでした。
 それ程に純粋で美しい物語だったのです。
実際、このレビューを打つ指が震えている程に……

 本作は語り手目線で進行しますが、何故そういった表現方法なのかは終盤に近づくにつれ、明らかになります。読者を物語に引き込む文章力と物語の構成、非の打ち所がない愛の物語。
 是非、アナタもこの読書体験を味わってください。
 この作品は読んで欲しい。心からそう思います。

 

★★★ Excellent!!!

何だろう、児童書とかの賞に応募して欲しい。そして、死にたい子、死にそうな子を止めたい子、漠然と死について考えている子に読んで欲しい、そう14歳頃の子に。
なんと言うかもう、胸の辺りがグッと詰まって何も言えねぇ状態なんですよ。涙が溢れて溢れて止まらねーんですよ。そりゃ、この作品が大賞になる。自分の作品なんてこの作品に比べたらそりゃ意味不明で苦痛だろう。納得です。悔しがることすら出来ない。
ファンアートを描きたい、でも描きたい構図が多すぎる。描きたいシーンが、描きたいタッチが多すぎる。人に創造を促す作品は名作だと言います。だからこれは間違いなく名作なのです。
そんじょそこらの得体の知れないアイドル俳優の恋愛映画よりよっぽど深い愛を描いている。この「愛」に対する思索のなさが私のダメだったところなのでしょう。自己中で、非献身的で。この小説の少年はその対極にいるというのに。
なんかもう、語り尽くせません。夏の課題図書になって欲しい。リアルタイムの14歳の感想が聞きたい、そんな話です。完敗です。

★★★ Excellent!!!

ゲームブック、あるいはTRPGに見られるような、語り手が画面の前の僕らに語りかけてくるタイプのお話です。
語りは間違いなく「男性の一人称」なので、読み始めると意外なほどに話がするりと入ってくると思います。そして、自分が「中学生の女の子」だったような気がしてくるはずです。僕はそうでした。あなたもそうです。

あなた、すなわちこの作品における「きみ」は女の子です。それも中学生の女の子。
大人と呼ぶにはまだ幼く、されど子供扱いするには大きすぎる。そんな青春まっさかりの不安定な季節に織り成す出会いと別れの物語が、ここにはこれでもかというほどにぎゅうぎゅうに詰まっています。

もしこれが三人称視点だったり、女の子視点だったら。あるいはそもそも語りかける形式ではなく、映像作品のように連なったシーンを追いかけていく形だったとしたら……おそらく、ここまで刺さってはいなかったでしょう。もちろん良い作品になっていたとは思いますが、少なくとも余韻にかり立てられるままにこうしてレビューを書いていることはなかったはず。それくらい強烈な一撃をもらいました。

例えるなら、この読書体験は手紙を読むのに近いでしょうか。
結婚式の手紙で泣いたり、タイムカプセルから出てきた手紙で寂しくなったり。たとえ宛名が自分では無かったとしても、横で聞いたり読むだけでも、なんだか自分ごととして捉えてしまう。そんな手紙というシステムがもつ不思議な魔力を、僕はこの作品からも感じました。

手紙の封をひらけば、そこには「二度とは来ないあの特別な季節」が入っています。
この手紙、ぜひ受け取ってみてはいかがでしょうか。

★★★ Excellent!!!

とても素敵な言葉がいっぱいの、思春期の人たちに薦めたいお話です。
まだ上手く言語化できないいろんな想いがあるときに、この話に触れられたら、息をするのが少し楽になる気がします。

また、構成がものすごいです。
前半はキラキラで、リズミカルで、こちらも素敵なんですが、後半になるとまさに流れるみたいに収束していって、すごく引き込まれました。
本当に綺麗。

思春期にお薦めしたいと書きましたが、思春期を過ごした終えた人やこれから思春期を迎える人にもお薦めしたいお話です。