「武蔵国」を含む小説

時は天文6年（1537年）4月─かの応仁・文明の乱より70年─荒れに荒れ、秩序が失われゆく時代の関東は武蔵国─父の死によって家督を継いだ13歳の男子、上杉朝定（うえすぎ　ともさだ…

日本書紀は誌す。「「笠原ノ使主(おみ)と同族の笠原ノ小杵(おき)が武蔵の国の造(みやつこ)の地位をめぐって争った」と。同族がゆえの過度の競争心、そこに絡まる憎悪、それが殺人にまで…

これは、フィクションです。正確な史実に基づくものではありません。鎌倉幕府成立のず～っと前。武蔵野では武蔵七党と言われる同族的な武士団が生まれ割拠した。妖怪たちと戦い、悪人たちと…

「ねえ、戒様。桜、綺麗でしょう？」 灰色の瞳の少女は虚ろに桜を見上げた――。 初巡察の夜。師匠にして上司の望と共に順調に邪を鎮めていた一真だったが、突如、謎の霊域へ迷い込み、霊…

輝姫は武蔵国の大名、鶴柴時忠と正室、久姫の間に生まれた姫。彼女は撫子の様に可憐な姫だったから民には「撫子様」と呼ばれていた。しかし時は戦国。彼女には悲しい運命が待ち構えていた。 …

꧁ 『刺鳥刺』v×s『金朱の鷺』の奇恋譚 ꧂ 江戸時代中期、享保四年(1719)。 八代将軍 : 徳川吉宗の享保の改革により、生類憐みの令で絶えていた『鷹狩り』が蘇った、…

　東山文化とオタク文化が融合し、傾奇者が中二病と呼ばれる戦国時代。 　天下分け目の関ヶ原合戦も終わり、日ノ本は静謐を迎えようとしていた。武蔵国の山奥に住む少年――薙原奏も天下無…

武蔵国入間郡で不審火が発生した。原因は出雲伊波比神の怒りだというが、その裏にはある男の欲望があった。

武蔵国都筑郡杉山神社——神奈川県横浜市、川崎市、東京都町田市、成瀬市などに点在する杉山神社の真のオリジナルはどこなのか？今もって謎めく延喜式の式社。混迷を深める幕末の世情にあって…

いまはむかし──。 南朝の残党が跋扈する室町の世、はるか東の方、武蔵国中野郷に中野長者と呼ばれた男がいた。

日本海軍の士官である一人の青年、千早嵩利が、敬愛し信頼を抱く上官、鷲頭春美と共に愛を育みながら支え合い、明治～大正の激動の時代を生きてゆく物語です。 千早嵩利（ちはや‐たかとし…

関東地方には多摩川と荒川、そして利根川という大きな河川が流れています。地質学的にこれらの河川の流路は日本列島創成の頃からほとんど変わらず、したがって縄文期弥生期を通して多くの人々…

第2回角川武蔵野文学賞に応募するために書いた短編小説です。 このご時世で島根から実家のある神奈川にもなかなか帰省ができません。 帰るついでに武蔵野をぶらぶら散歩することすらままな…

〈あらすじ〉 夏の終わり頃。東京都下《とうきょうとか》に引っ越してきた２人の女性。学生時代の友人である２人は、必ずしも順風満帆な人生を送ってはいない様子。長いようで短い人生の途中…

※2022/06/30追記 第2回 角川武蔵野文学賞・ライトノベル部門で審査委員賞を受賞しました！ 応援ありがとうございました。 時は江戸時代中期。 武蔵国で奇妙な変死事件が…

江戸末期、不作や米価の高騰に苦しむ小作農民たちは、武蔵国の山村で「世直し」の旗印を掲げて立ち上がる。 激動の時代を生きた農民たちの物語です。

東京都三鷹市。 夏休み、両親が仕事で家を空けるため祖母の家に連れてこられた中学2年生のショウタ。 ある日祖母に神社にお供え物をしてきてくれと頼まれる。 神社の境内の池に心惹かれ…

武蔵野には「宮様」と呼ばれる名前さえ失った神様がいた。 彼女が見た武蔵野の歩みを、そしてこれからの武蔵野を共に見よう。

東京都府中市にある大國魂神社を訪れたわたしは、けやき通りのひと隅にあった歌碑に目を留める。 詠み人知らずの和歌に込められた哀しみの残り香に惹かれたわたしは、武蔵国で詠まれた和歌…

北条綱成が城主を務める武蔵国・川越城は風雲急を告げていた 老将・難波田弾正が策動した大軍が迫る中、綱成は北条に対する忠誠心と意地から徹底抗戦する事を決める 実態が見えない稀代の…