だいたい池袋の辺りで猫合戦～日本書紀第十八巻安閑天皇記より～　

関東地方には多摩川と荒川、そして利根川という大きな河川が流れています。地質学的にこれらの河川の流路は日本列島創成の頃からほとんど変わらず、したがって縄文期弥生期を通して多くの人々がこれらの川の近くで暮らしを営んでおりました。

その遺跡といたしまして、これらの川の流域には貝塚をはじめとした住居跡や集落跡、そして大規模な古墳群が数多く残されています。その中には東京の高級住宅地である田園調布も含まれており、閑静でゴージャスな住宅地の片隅に、前方後円墳がいくつも現存しております（多摩川台古墳群）。

古代の関東地方には、西日本発祥のヤマト民族の文化が及ばない東日本独自の文化、すなわち東日本文化圏が形成されていた可能性も否定できません。

日本書紀第十八巻安閑紀ではそんな古代の関東地方、西暦五三〇年…続きを読む