江戸遥か、享保の世。御鷹舞う曠野を馳せる猟人が居た──それが鳥刺し。供物を捧ぐ誉高き狩人の青年は、師の遺志を胸裡に仕舞って東海道を西へと下る。逐うは幻か伝説か。輪廻の渦中で演舞せし「金朱の鷺」──貴き翼の火焔の羽根。籠の中にて出逢いし若き狩人は、因果の涯の落胤に焦がれ、全霊を以って対峙した。束の間の、一朝一夕の夢。それは幻影に非ず。